私は祖母の子宮の中で作られました

衝撃的なお題ですね。でもこれ、皆さん、同じです。もちろん、私のおばあちゃんじゃなくて、あなたのおばあちゃんの。

まず、お母さんはどこから来たの?

お母さんを作った元になる卵子はおばあちゃんの卵巣の中で成長しました。生まれた時に卵子の数は決まっていますが、それはまだまだ小さい卵子の種。卵子が受精のために排卵されるほどに成長するにはおよそ100日の時間がかかります。100日経って成長した卵子になって、卵巣から出てきて、精子と出会い、初めて受精します。ちなみに精子の成長はおよそ90日ほどかかります。男性陣、今のあなたの精子はこの90日の間に食べたもので出来上がっています。男性の精子も栄養の影響を相当受けます。

お母さんに話は戻り。100日の成長期を過ごしてめでたく受精し、おばあちゃんのお腹で胎児となったお母さん。女の子の卵巣の中の卵子は妊娠20週目ぐらいまでに作られます。胎児だったお母さんの卵巣の中にあった700万個の卵子の一つが私。この卵子も出産時には200万個ぐらいまで減ります。

おばあちゃんのお腹の中に母がいて、その胎児だった母の卵巣に私がすでにいた。一人の女性の体に3世代のジェネレーションの遺伝子が存在します。ある意味、生命の神秘ですね。

その卵子にはDNAが組み込まれていますが、これも妊娠中の食べ物やストレスで変化します。もともとのDNAの型を次の世代で繋げていく遺伝とは異なる、生活習慣などによる影響で遺伝子の表現が変化することをエピジェネティックスと言います。もともとDNAに組み込まれた病気の遺伝子だけでなく、エピジェネティクスの変化でも病気やガンを引き起こすリスクがぐんと上がります。また、妊娠中から産後1年ぐらいの間に確定されたエピジェネティックス変化は、その後変化しにくいことがわかっています。悪い変化もそこで固定されてしまいます。

要するに、妊娠中から出産直後のおばあちゃんの生活習慣や食生活が、母だけでなく私にも影響していた。

また、生まれた後の1年だけでなく、その後の生活習慣でエピジェネティックスはどんどん変化します。これが、なぜ生活習慣や食事を気をつけないといけないかというポイントです。栄養バランスの崩れ、毒素、酸化、ストレスなどでどんどん遺伝子が傷ついていき、自分だけならいいのですが、それを次世代に継いでしまいます。

確かに遺伝子は傷つきますが、エピジェネティックスは自分の生活習慣でも十分にコントロールできる部分なので、ご両親やお祖父様、お祖母様を責めないように。大人になってからの病気の発生は自分の生活習慣の崩れやストレスがトリガーになり発症し悪化することが多いです。持っている遺伝子のスイッチを入れるか入れないかの問題。

大人になってからのエピジェネティックスの話はほぼ全ての病気に関わるので、そこは置いておいて、今は胎児の話。

要するに、自分の普段の生活週間や食べ物が遺伝子を傷つけるリスクは妊娠前から常にあり、また、特に食べ物や酸化は卵子や精子が作られる過程でも直接的に影響し、無事に受精しても、妊娠中から出産後の授乳期まで、幼児のエピジェネティクスを大きく変化させるリスクが続きます。

なおかつ、女性の体の一番のデトックスって、実は授乳なんです。

たいていの毒物は脂溶性で、母乳は脂肪。妊娠・出産期もしくはその前から溜まっていた毒素は一気に母乳に入って外に流されていきます。まだ、幼児がエピジェネティクス変化に敏感な時期に。

ただ、母乳は幼児の免疫を成長させるために大切な大切な栄養源。バランスの良い栄養素だけでなく、子供にマイクロバイオーム(微生物叢)を非常に効率良く提供し、免疫システムを強く育てます。母乳がでない場合は仕方がないですが、出るならば母乳は必須。

なので、妊活とは「受精まで」ではなく、まずデトックスに始まり、栄養補給をして健康な卵子と精子を作り、受精を促し、妊娠中の管理をして、出産後の授乳に備える、という一連の1大プロジェクト。

でね、そういうことを含めてお話ししようと思うのです。6月の講座、妊活編で。

不妊・妊活編 2018年6月24日(日)10:00〜12:00

本気で子供、子孫を残すと考える時にとても大切な話だと思うのですが、年齢的に私の周りに妊娠需要が少ないせいか...、これが全くの不人気でまだまだ空きがあります。意外と人気ないのね、と。皆様是非必要そうなお知り合いに拡散くださいませ。

また、女の子のお子さんがいる方など、聞いていただいてお子さんにいつかお話ししていただけるといいのかなとも思います。

あと、4月の婦人科系疾患の会でもデトックスの話はするので、そちらでもいいのかな。デトックスだけでも、そのうち別にやるといいのかもしれませんね。また、宿題です。最近、宿題ばっかり増えていきます。