アレルギーと食べ物 その1

東京での生活。緑が遠くなって自然とつながりにくくなったと嘆いていましたが、川の多い地域に住んでいるので、今では、川の水の波動にアンテナを伸ばしています。足るを知る。都会に慣れてきた証拠でしょうか。心を開けば色々と心に触れるものに出会えるようです。

再発していたアトピーも1月に入って落ち着きました。ある食材を摂るのをやめてから。

なんと、日本の心。味噌と醤油。

今回のアトピーのぶり返しはとにかく本当に勉強になりました。過去に経験したことと、その後に自分に身についた知識の整理。ごちゃっとなっていた部分がものすごい整理できました。

「アレルゲンの影響と、アレルギーに影響する食べ物の影響」の切り分けと、

「根本の原因、発症の原因、症状を持続させる原因」の切り分け、がクリアになってきました。

身をもって経験したので(泣、確実です。本当に勉強になりました。

ナチュロパスになってから、自分もアトピーの経験があったこともあり、アトピーのクライアントさんを診る機会が多かったのですが、常々感じていたのは「やはりアトピーは難しい」ということ。

アトピーは、アレルギーだけが原因ではないですが、アレルギーがアトピーを発症させるリスク要因の一つではあります。

ただ、アレルギーには幾つかの種類があります。

一般的に認知されている「アレルギー」とは、反応が早く、IgE抗体が関わるもの。アナフィキラシーを起こす食べ物や薬のアレルギーや花粉症などもこれに当てはまります。

一方で、遅延性アレルギーとも呼ばれているものもあります。症状の発生が1日から3日と遅く、症状も穏やかなので気が付かないこともあります。

この遅延性アレルギーにも種類が幾つかあります。日本語だと同じ「アレルギー」という名前を使うのでわかりにくいですが、遅延性アレルギーという言葉はアレルギーの種類の一つの総称を指し、英語では、個々の症状に対してつけられる不耐性(intolerance)や過敏性(sensitivity)という呼び名の方が一般的です。

遅延性アレルギーにカテゴライズされる食物不耐性にもまた幾つか種類があります。その中でも、今、日本でも注目されているのがIgG抗体が関係している食物不耐性。日本では、食物の遅延性アレルギーという名が一般的になりつつあるようですね。同じ食品を毎日食べ続けることでその食品の抗原に対するIgG抗体が増え、増えすぎたIgG抗体によって様々な症状を起こるというもの。腸壁の炎症やリーキーガットなどの消化器官の不調、発疹やアトピー、アレルギー症状、疲れ、不安症、うつなど様々な慢性症状の原因になっている可能性があると言われています。やはりIgE抗体のアレルギーを発症させるのと同じような食品、卵、乳製品、小麦に多く反応が見られますが、そのほかの多くの食品も対象になります。

IgEのアレルギーとは異なり、IgG抗体で陽性が出た食品に関しては、三ヶ月ほどその食品の摂取を完全に控えるとIgG抗体が減るので、またその食品を少量ずつ摂取できるようになります。オーストラリアでは、胃腸の不調を持つ人が多いので、この遅延性アレルギーの検査は比較的ポピュラーです。ただ、各抗原に対するIgG抗体が直接的に上述の一つ一つの生理的な症状を起こすかについて実証されているわけではありません。なので、ナチュロパシーでは、特に消化器科系の症状に関して、要因の一つである可能性を考慮し、ツールの一つとしてIgG検査を使うこともありますが、検査の結果が絶対とも見てはいません。

食物不耐性は他にも、IgEやIgGなどの免疫が関わらないものがあります。代謝酵素の不足、薬理作用、特異体質で起こるもの、中毒(食中毒など)で起こるものなど、実はたくさんあります。生理学的な症状に現れる食物不耐性の中では、免疫に関連するものよりも、これら免疫に関係しないものの割合の方が実は多いと言われています。

免疫が関わらない食物不耐性の対象は、アルコール、生体アミン(ヒスタミン、チラミン、セロトニンなど)、サリチル酸、亜硫酸塩、添加物、FODMAP(オリゴ糖・2糖類・単糖類・ポリオール)または2糖類・単糖類それぞれ単体に対する不耐性や過敏性、などです。これらを含む食品をリストにすると膨大な数になり、ほとんどすべての食品がどれかに当てはまります。

特に、生体アミンやサリチル酸を含む食品はアレルギーと似た症状を引き起こすので、仮性アレルゲンとも呼ばれ、アトピーなどのアレルギー症状を起こしている人には影響があります。

ヒスタミンの前駆体のヒスチジンはアミノ酸の一種で、子供にとっては必須アミノ酸の一つです。大人は体内で合成できるようになりますが、子供は合成できないので食品から摂る必要があります。必須アミノ酸ということは、ヒスチジンは人の体に絶対的に必要な栄養素、良い栄養素である、ということですね。でも、その良い栄養素が、体内に溜まりすぎると却って悪さを起こすことがあります。特に、ヒスタミン不耐性は、ヒスタミンを分解する酵素、ジアミンオキシダーゼ、が少ない人がなりやすく、アレルギー反応などですでにヒスタミンを多く体内で発生している場合などでヒスチジンを多く含む食品を摂取すると、ヒスタミンを分解する酵素が足りなくなり、体内でヒスタミンが増えすぎてアレルギー症状を起こすというものです。

また、青魚などで発生しますが、ヒスタミン食中毒というものもあります。青魚はもともとヒスチジン含有量が圧倒的に多いのですが、長時間室温に置くことでヒスタミン産生菌が発生し、魚の中のヒスチジンを分解して多量なヒスタミンを蓄積させ、アレルギー様反応(発心、吐き気など)を起こさせることもあります。これはアレルギー体質でない人でも、誰にでも起こり得るアレルギー様食中毒です。

そして、ヒスチジンは青魚に特に多く含まれますが、アミノ酸の一種なので、実はタンパク質を含むあらゆる食材に含まれています。カツオ、マグロ、ブリ、サバ、イワシ、鮭などあらゆる魚、牛・豚・鶏、ナッツ(アーモンド、カシュー、くるみなどほとんどのナッツ)、大豆・納豆・湯葉・高野豆腐、チーズ、発酵食品、少量だけれどもタンパク質を含む多くの野菜・果物・キノコ類。ほぼ、すべての食材ですね。特に私が好きな食品も、体に良いと言われる食材にも入っていて、ヒスチジンを含む食品を全部避けようとすると何も食べられなくなります。

さらに、サリチル酸も問題になることが多いですが、サリチル酸を含む食材も排除するとなると、何とか食べれそうなヒスチジン含有量の少ない食品までもがサリチル酸が入っているということで排除され、本当になーんにも食べれなくなります。

消化器系の深刻な問題を持つ人もそうですが、アトピーの人も、過敏になって症状を悪化されると言われている食品を全部避けると何も食べれなくなってしまうのです。

ただ、今回、私がクリアだったのは、「過去1年、シドニーではアトピーは全く出なかったこと」「すでに食はクリーン。シドニーから日本に環境が変わったとは言え、原因は何がしかのアレルゲン。治らないのとしたら何かの原因に触れ続けているから(もしくは食べ続けているから)」ということ。ストレスは全くなかったので、外的要因が確実にある確信がありました。なので、いろいろなことを試しながら自分の体の反応をじっくり観察をしました。

長くなってきたので、次回に続きます。

写真はヒスチジンたっぷりの鯖の一夜干。え、食べれるの?はい、大丈夫なんです。美味しかった!

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  1. ピンバック: 約10年ぶりのアトピー再発について | Wholeness of Nature

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