ヒスタミン不耐性なので麹はまだしばらくお預けよ

日本ではまだヒスタミン不耐性の話はあまりポピュラーではないようですが、海外ではここ10年ほどグルテンと並ぶほど体に影響を与える原因(悪者)のひとつとして認識されています。

ヒスタミン不耐性とは、ヒスタミンに対するアレルギーや過敏症ではなく、ヒスタミンを分解するジアミンオキシダーゼ(DAO)という酵素が欠損または阻害されて、体内でヒスタミンを増やしてしまう体質の人です。

アレルギー体質の人ならばもちろんアレルギー反応を悪化させますし、アレルギーでなくても、頭痛や腹痛始め、既存の疾患の症状や発達障害などの症状を悪化させるなどといろいろな影響があるとされています。

シドニーにいた間、海の向こうのアメリカでヒスタミンについてやんややんや騒いでいるのを「ちょっと騒ぎ過ぎじゃないですか?」と横目で見ながら、えっちらおっちら帰ってきたら、あらまぁ、この魚と発酵食品天国の日本、ヒスタミン大国じゃないですか。

私はアトピー体質なのですが、帰国後1週間で手に炎症が出ました。アトピーの人は大抵生まれ育った土地で何かしらのアレルゲンを生み出してしまっているので、他の土地で暮らして良くなっても、元の土地に戻ると高い確率で再発生のリスクが高まります。私も例に漏れずその一人。

ちょっと出た炎症が、帰国し喜んで毎日たくさん食べていた大豆食品・発酵食品・魚で体内のヒスタミン濃度がじわじわと増え、しっかり種火がついたところで久々の強力花粉シーズンに入りそこから爆発・大火災。

火災が起こってしまうと鎮火はなかなか難しく、改めて食品に含まれるヒスチジン(ヒスタミンの前駆体)と発酵食品の影響を「勘弁してください、ごめんなさい」というほど体感しました。ここら辺のお話は以前にも何度か書いたので「ヒスタミン不耐性」のカテゴリを作ってまとめておきます。

それ以来食事は低ヒスタミン食。基本的に家ではグルテン(精製小麦)フリー・デイリー(乳製品)フリー・シュガー(精製砂糖含め全ての砂糖)フリーですが、それに加え、低ヒスタミン食として発酵食品は控えています。

以下のリストは高ヒスチジン含有食品(アボカド、バナナ、豆腐は高くないですが参考まで)です。ヒスチジンはアミノ酸の1つなので完全たんぱく質の肉・魚・大豆には必ず入っています。

データ参照元:http://fooddb.mext.go.jp/

このヒスチジン、焼いた肉の数値が高く見えますが、新鮮な肉を調理してすぐに食べれば実際はそんなに問題ありません。ところが、日をおけばおくほど、発酵させればさせるほど、ヒスチジンはどんどん分解して増えていきます。要するに加工や調理の過程で時間をおいたものはヒスタミン爆弾になる可能性が高いわけです。同じくアミノ酸の1つのチロシンも血中の刺激になりやすいので一緒に記載しましたが、この両方が高いと刺激性がさらに高くなります。

上記でもご覧の通り、生に近いしらすはヒスチジン量が560ですが、半乾燥ですでに倍の1100。生ハムも長期熟成はドーンと上がります。一番注意が必要なのは青魚系と魚の缶詰ときな粉。

魚の缶詰はものによるとほんともうすごいです。もうこんな数値ではないはず。体感、5000mgのヒスチジンが体内で10倍のヒスタミンを作る感じ。過去、サーモンの缶詰でやられました。あと、きな粉も結構すごい。てきめんにビリビリ来ます。

炎症がとてもひどい時は、これら食材のうち、新鮮な魚(青魚以外)と肉、豆腐以外は避けます。他にも、ヒスチジンを多く含む食品ではないけれども、バナナ、柑橘類、アボカドなどヒスタミンを増やしてしまう食材があり、それらも避けます。

一番「マジ、やばい」のは、これら高ヒスチジン含有食品発酵食品の合体。

そうですね、発酵により増えるわけですから、こういう式になるわけです。

高ヒスチジン含有食品 × 発酵食品 × 1日以上の保存 = 無限大のヒスタミン

味噌、醤油、ナンプラー、麹、こんぶ茶(紅茶キノコ)、ヨーグルト、なんちゃら酵素サプリ、ひいてはプロバイオティクス。これらは高ヒスチジン含有食品と一緒に食べなかったとしても、体内のヒスタミン濃度が高くなっていると、ただでさえ増えているヒスタミンをさらにどかーんと増やします。

その、最高に「マジ、やばい」パターン、肉や魚を粕漬けや麹漬けにして食べようものなら漫画で感電してる人みたいに最高潮にビリビリになります。

こういうやつ。懐かしのビーバス・アンドバットヘッド

https://media.giphy.com/media/soEYm1YwpftVC/giphy.gif

脳も電気が走るように朦朧とし、体も全身むくみ始めます。本当すごいから、これ。炎症している皮膚までもが逆立つんですから。痒いも通り越して、感じたことのない異常な感覚で、もう気が狂う寸前です。これは経験したことのある人しかわからないかも。

でも、多分、ひどい花粉症など、程度のひどいアレルギーのある人は大なり小なり似たようなものを感じているか、症状の悪化で出ている可能性はあります。

発酵という過程は、あれだけアミノ酸を分解して食べ物を美味しくするわけで、発酵マジックというか、あるものを分解しているだけでなく、なかったものまでをも作り出してもいます。ヒスチジンのないところからも他のアミノ酸からヒスチジンを作り出すんです。発酵もアミノ酸もどっちもすごい。

なので、低ヒスタミン食といった中で、私が一番注意するのは高ヒスチジン含有食品よりもむしろ発酵食品。

最近は調子が良くなってきていたので、もう上記の高ヒスチジン含有食品は全部食べれますが(チーズは違う理由で食べませんが)、少量の味噌と少量の醤油以外(それでも月2、3回程度)、発酵食品だけは引き続き控えていました。特に麹。

炎症が出ていなければ食べれるんです。食べても大丈夫。

今年1月はサワラの塩麹漬けでビーバス・アンド・バットヘッドになったけど、2月以降は鮭の粕漬けは大丈夫だったので、「そろそろもう大丈夫かな?鶏肉なら大丈夫かな?」と、今回手作り醤油麹をいただく機会があったので、ソロ〜っと鶏肉に漬けて食べ始めました。

「大丈夫だし、やっぱり麹漬けは本当に美味しい!」

2日ほど観察し大丈夫だったので、ついついそのまま気が緩み、週4回ほど立て続けに食べたら....、じわ〜じわ〜っとゆっくり悪くなり、1週間目の朝にまぶたがお岩さんになって、なかった炎症が顔にブワッと浮き上がってきて、5月頭に花粉でやられて治りかけていた首もともまたブワッと赤みが増してきました。まぶたはアトピーの症状でも一番悪い種類のやつです。

普段は落ち着いてて治りかけているように見えていても、まだまだ真皮の下でくすぶっているのがよくわかります。

泣く泣く醤油麹を食べるのをやめたら、無事にまぶたも治り、炎症も引き始めました。

麹解禁はまだもうちょっと先なようです。あと多分半年は無理かな〜。気長に付き合っていきます。

なのでですね、何が言いたいかというと、ヒスタミン不耐性ってものがありますよっていうことと、私がこのブログやインスタであげている食事は全てグルテンフリー、シュガーフリー、デイリーフリー、& 低ヒスタミン食です。(アジの干物は高ヒスタミン食ですね、失敬!それ以外!)

グルテンフリー、シュガーフリーというと「食べるものがなくなる!」という人がいますが、「いやいや、結構いろいろ食べれますよ、むしろこっちの方が美味しいですよ。しかもさらに低ヒスタミン食!」ということを啓蒙していくためにせっせとインスタあげてます。

「私もヒスタミン不耐性かも?」と思い当たる人は是非ご参考にしてくださいませ。(アジの干物以外。でも熱海の新鮮な干物だったせいか全く大丈夫でした)

長々とお読みいただきありがとうございました。お休みなさい。