遺伝子検査をやってみたよ!

私の兄のおすすめで、キャンペーン中だったGeneLifeの遺伝子検査をやってみました。

本当はアメリカの23andMeをずっとやりたかったのですが、日本からはできないので、どうしようかな〜と数年が経ち。GeneLifeには知りたい遺伝子の項目はなかったのですが、キャンペーンで安いしやってみてもいいかな、と。

疾患のリスクや体質など360項目を検査できます。

「ガンのリスク」では、胃がんは?食道がんは?肝臓がんは?とそれぞれのリスクが「低い、やや低い、標準、やや高い、高い」などで表されます。生活習慣病や、背が高い・低いなどの体質や見た目、自分の母の先祖のルーツとかも。

言葉だけの「あなたの肝臓がんのリスクは高いです」だけだったら興味なかったのですが、ちゃんと各項目に関わる遺伝子名とその説明、および結果のSNPが全部記載されているので、これでこの金額ならリーズナブル(キャンペーン価格)、とやってみました。

簡単な結果だけを知りたい人はサマリーを見ればいいし、遺伝子のSNPを細かく知りたい人もクリックして入っていけば詳細が見れます。みんな満足。

DNAの二重らせん構造は皆様目にしたことがあると思います。

この、水色の2本のリボンの真ん中のピンクや緑や黄色やオレンジの棒は核酸塩基というもの。核酸塩基の種類は、アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)の4種類。この4種類の組み合わせでDNAの二重らせんが作られています。上記の絵は細胞分裂の時に核にあるDNA が複写されていく様子。下から順に分裂して、新しい同じ形のDNAを作って行っている図です。

1つの機能に関する遺伝子の塩基の並びは正常な場合皆同じなのですが、一部だけそれが異なっている部分があることがあります。本来Aであるべきところが、Gになっていたり、Cになっていたり。それをSNP(スニップ)、変異、と呼びます。変異と言っても一般的に存在する組み合わせ(コモンバリアント)です。稀に突然変異の組み合わせがあり、それをレアバリアントと呼びますが、それはちょっと置いておいて。

子供は両親からそれぞれ1つずつの染色体を受け継ぐように、DNAの配列も1つずつ受け継ぎます。なので、お母さんがAGを持ってて、お父さんもAGを持ってる場合、血液型の仕組みと同じように、子供はAA型かAG型かGG型を持つことになります。Aは普通の型でGが変異の遺伝子のケースでは、GG型を持った場合、その変異の度合いが強くなります。それが胃がんになりやすいSNPだとすると、AA型の人は胃がんになりやすい遺伝子を持っていないけれども、AG型の人は普通程度の胃がんになるリスクがあり、GG型の人はさらに胃がんになりやすいリスクを生まれつき持っていることになります。

例えば、私はガンのリスクは少ない方だったのですが、意外にも基底細胞がんのリスクが高かったです。皮膚ガンですね。でも幸いメラノーマ(悪性黒色腫)よりは悪性度は低いです。基底細胞がんに関係する遺伝子のうちの1つの説明はこんな感じ。

私のPADI6遺伝子は基底細胞がんのリスクが高いAA型(究極の個人情報ですが)。各遺伝子の説明が書いてあるので、何の機能に弊害が起こってガンのリスクが高くなるのかがわかります。たんぱく質生成に関する遺伝子の変異か、細胞のアポトーシス(細胞の自然死)の遺伝子の変異か、などなど。

栄養の代謝も遺伝子のSNPがおおいに関係してるので、分子栄養学の世界では遺伝子SNPのことも多く語られます。ナチュロパスなので、SNPのことは知っておきたい人。

また、何が理由でガン化や疾患が起こるかがわかるので、わかる範囲であれば、それに向けて対応していくことも可能かもと思います。現代のハーブの研究でも、多く研究されているターメリックなど、細胞増殖因子に働きかけるのか、シグナル伝達に働きかけるのか、など分子的にどう働くのかがわかっているので、SNPの情報は有用です。

まぁ、そんなわけでしばらく遊べるネタを買った感じです。

私の検査結果は、もちろんアトピーとスギ花粉のリスクは高く、膀胱がん、基底細胞がん、急性緑内障、冠動脈疾患、変形性関節症のリスクが高いです。幸い、検査の結果では、どうにかしないと、と焦る種類の疾患の遺伝子はありませんでした。

まぁ、どれも年がもうすこしいってから発症リスクが高まる疾患ですが、いい加減にしていた日焼け止めはこれからちゃんと使うようにし、目に関しては思い当たることがおおいにあるので目の検査はまめに行くようにし、筋トレもちゃんとして太ももの筋肉はつけておくようにしようと思います。食事はクリーンなので、他は大丈夫かと思いますが、EPA/DHAの濃度が低い傾向にあるので、全身の疾患予防に(オメガ3脂肪酸はほとんどの疾患に関係するので)、50歳を過ぎたらサプリメントで補充していこうかと思います。って、感じかしら。

栄養と抗酸化の項目もあるので、そこらへんは良いなと思いました。

以前は、一般の人は出てくる結果を冷静に受け止められるのだろうか?という疑問があったのであまり遺伝子検査に積極的ではありませんでしたが、でも、実際に自分がしてみて悪くはないかなと思いました。でも、アンジェリーナ・ジョリーがBRCA1が検査で見つかって乳房を切除したニュースがありましたが、そこまで過敏に反応してしまう可能性のある人はよく考えてからやったほうがよいかと思います。

GeneLife以外にもいろいろ検査があるようですし、調べて納得したらやってみてもいいかもしれませんね。

遺伝子検査の商品に関しては私はあまり詳しくありませんが、遺伝子検査始め髪の重金属検査など機能性検査の金額はイコール検査の精度でもあるので、安ければ良いというわけでもありません。特にこれら検査の質は海外と日本では差があるので、ちゃんと調べて納得のいく商品を選んでね♪ ということは、検査の結果が絶対ではないので、その点も加味しておくと良いと思います。

ちなみにGeneLifeもその精度はわかりませんが、「胸の大きさ」の項目が、私の結果は「やや大きい傾向」とありました。これが検査の精度の問題なのか、私が自分の遺伝子を有効に活用できなかっただけのことなのか、遺伝子に傷でもついていたのかは、よくわかりません。

兄が笑っている姿が目に浮かびます。

加筆:遺伝子検査については検査自体の精度というよりかは、どの遺伝子をリスクとして判断するかのエビデンスの選択と評価でしょうか。海外の遺伝子検査はそのまま栄養療法の治療にも用いれる意味のあるものが多いのですが、日本で市場で流行っている検査は汎用性は低く、ただ単に病気などのリスクを表しているイメージかと思います。