アトピーの考え方

皆さま、明日の台風の備えは万全でしょうか?

私も一応夕方にスーパーに買い物に行きましたが、買ってきたのはたっぷりの野菜と肉とさんまと果物。いつもよりちょっとだけ野菜がたくさん。

家について食材を冷蔵庫に入れた後、警告を訴え続けるテレビを背に、冷蔵庫の前で「ん?何か間違ってはいないだろうか?」とふと思いましたが、うーん、多分大丈夫。カップラーメンは2、3個あっても絶対食べる日は来ないだろうし、缶詰はヒスタミンが多すぎて、これも絶対無駄になる。いらない、いらない。何かあったら野菜を生で食べます。

早速さんまを焼いていただきます。大根おろしに亜麻仁油とちょっぴりの出汁醤油をかけて。見た目雑ですが、うんまーい!

さて、今日クライアントさんに説明に使った資料をここでシェア。

アトピーについて、ブログで高ヒスタミン食のことを書いていますが、高ヒスタミン食が日本でのアトピーの重症化に関わっているのではないのかなと個人的には考えています。ただ、低ヒスタミン食にしたからといってそれだけでアトピーが治るわけではありません。

図にしてみるとこんな感じですね。横軸が時間の経過で、縦軸が症状の悪化です。

皮膚が壊れやすい遺伝子の要因はあります。そこにアレルギーが加わります。アレルゲンや刺激になる物質の存在があっても、発症や悪化をさせるその他の要因がなければ、たまの発疹や喘息の症状などで出てくるだけでしょう。高ヒスタミン食を食べていても基本この時期は大丈夫です。

ただ、精製小麦、精製砂糖、乳製品など腸内環境のバランスを崩す食事を続け、腸壁にダメージを与え続けると、腸壁に存在する免疫も過剰に反応をし始め、炎症が起こり始めます。この状態になってくると、体質が根本から気づかないほどゆっくりと崩れ始めます。症状としては発疹が出てくる頻度が少し多くなる程度かもしれません。そして、軽いステロイド剤などを処方されてステロイドを使い始めます。

この状態が長引き、気づかない慢性炎症が悪化していき、そこにストレスがかかると、一気に自律神経のバランスが崩れます。免疫が暴走し炎症が全身に回ります。そうしてひどいアトピーを発症します。その頃にはステロイド剤を塗れば塗るほど悪化し、だんだんと濃度が強くなり、「これでは治らない」と気づき、ステロイド剤の使用を突然やめると、リバウンドというひどい状態を引き起こします。

そこから難治化していきます。

私の食事指導では、精製小麦・乳製品・精製砂糖と同時に、アレルゲン・高ヒスタミン食・刺激になるものを避けてもらいますが、それはひどくなっている炎症を一時的に抑えるためです。アトピーの場合、皮膚が傷つき炎症を起こし続けていると免疫が暴走し続け、細胞が元の形に治る弊害になります。高ヒスタミン食は「すでに体内で発生しているヒスタミン」を体感で数倍に増やします。

高ヒスタミン食は発酵食品や魚など「食べたほうが良い良質な食材」です。一時的に除去しますが、炎症さえ治ればまた食べることができますし、食べたほうが良いです。ただ、砂糖と同様に、必要以上にヒスタミンを増やして恐ろしい痒みを引き起こすので、炎症がひどい間だけ控えてもらいます。

なので上の図をもとに説明すると、一時的に高ヒスタミン食・刺激物・アレルゲンを減らし、根本的にストレスへの反応を改善し炎症性の食事を減らすことで、ブロックを減らして症状が出る赤いラインから下に生活・食習慣を持っていくことです。刺激を極力減らして、刺激を与えないようにし、その間に必要な栄養を補充してあげて細胞を修復する。

細胞が修復する余裕を与えます。

治っていたアトピーが帰国後に再発した自分の経験から嫌という程わかったのは『炎症と痒みがひどく起こっている時は必ず原因がある』ということ。必ずあります。でも、その反応が大きくなる根本原因は腸壁の状態とストレスです。なので両方対処していくことが必要です。

炎症性食品の影響はアレルギーの部分を除けば、どの慢性疾患も一緒。炎症が全身に回った時に体の弱い部分に症状が出るだけ。なので、やはりどれだけストレスと炎症性食品を減らして(この場合は高脂質食も入ります)、赤いラインから下げるかがキー。

ということです。アトピーに関しては、決して、高ヒスタミン食が悪者ではありません。

悪者は大量生産と企業の利益のためにどんどん品種改良し開発された精製食品(精製小麦、精製砂糖)です。乳製品も牛の品種改良を重ねたせいでA1ミルクのカゼインが問題になっています。小麦も乳製品も古代種は問題が少なく、現代種が症状の悪化を引き起こしています。

「人間の体は、自然の食材を消化・代謝するようデザインされているが、人が人の利便性追求のために人工的に作り出したものを消化・代謝できるようにデザインされていない」のです。

あと、交感神経を高めてしまうこの現代の生活。ITの発展で仕事のスピードが速くなるのに比例して人の交感神経は高まっています。通信や移動手段の発展から人々が日々やり取りをする人の数も増え、対応するシチュエーションの複雑化もどんどん進んでいます。

やっぱりこれも「人間の体は元々そんなに器用にいろいろな状況やストレスに対応できるようにデザインされていない」です。

ライオンにあった時に作動する体の反応、いわゆるストレス時の闘争・逃走反応、は危機に対して対応できるようにデザインされていますが、神様はまさか人が毎日ライオンに会うような日々を過ごすようになるとは思っていなかったということ。

夜は暗くなり、人々は眠る。人のサーカディアンリズムにあった環境に街がなるよう、セブンイレブンの営業時間短縮には大賛成です。24時間起きている街は都心部の繁華街だけで良いと思います。そうすることでやっと人々のサーカディアンリズムも整い始めるでしょう。

技術の発展に人の生活を合わせるのではなく、人らしくあるべき姿で生活できるように技術を利用し人の生活をデザインできれば、より良い社会になるのではと思います。