今読んでいる本にちょっと響くことがあったのでシェア。
“Stress may be more a matter of personal integrity than time pressure, determined by the distance between our authentic values and how we live in our lives. “
本当にそうだと思います。
ガンに関する本なのですが、ガンの患者さんのストレスで上記のケースが多いそうです。
まず先に、ものすごく簡略に、乱暴に、感覚的に訳すと、「ストレスとは、時間などの物理的なプレッシャーによって感じるものというよりも、自分が信じる生き方で自分の人生を生きていない時に感じるもの」
Personal integrityやAuthentic valueに適切な訳が見つからないのですが、ここが一番肝心なところで。
Integrityという言葉ですが、構造的なドライな意味では、細かいたくさんのパーツが一つに集まってある物体や組織を形作る時の、パーツがまとまって完成した状態を意味します。人に関して表すPersonal integrityも、一人の人の人生が様々なパーツから社会的に形成されているとみなし、特に道徳観、倫理観、人生観、信念など、芯のピュアな部分を軸にしたその人自身の完成した在り方、を意味します。訳すの難しいですね。
Authentic valueというのは「本物の価値」という意味ですが、人の場合を指すときは「その人が信じるその人の人生もしくは存在の価値」的な意味でしょうか。
なので、上記の細かい訳は「ストレスは、時間的なプレッシャーよりも、その人が信じる本来の自分の在り方と実際の人生をどう生きているかのギャップの度合いによって発生する」。自分のauthentic valueが脅かされそうになった時にストレスを感じるのだと思います。
そして、ストレスの一番難しいところが、人は常に「自分が信じる在り方」や「人生の意義」や「自分を構成する需要な要素」のことを深く考えて生活をしているわけではなく、仕事、ローンの支払い、子供の世話、親の介護、など、多忙な日々をジャグリングしながらなんとかやりくりしているわけで、年月が経つうちに知らず知らずのうちに「本来の在り方」と乖離してしまう。仕事や家庭においても、「会社や家族に求められている自分の役割」に応えることに意識が集中して、だんだんと本当の自分とは違う自分に変わっていき、気が付かないうちに乖離が大きくなって歪みができる。
本当のストレスに気がつきにくいのはこのせいなのかもしれません。
また、一番重要なのが、Personal Integrityの内容は個人によって大きく異なるというところ。日本のならえ右文化では、見落としがちなポイント。この部分を書くと長くなるので今回ははしょりますが、ここ、結構重要だと思います。
一方で、もちろん、単純な物理的な忙しさもストレスになることは多々あります。私が経験した一番良い例がナチュロパシーの大学の最後の半年にあった10週間で課題50個の刑の時。その 10週間で250から300ぐらいの研究論文を読み、50個の課題を書きました。最後は忍耐力勝負。いくら好きな学問でも神経衰弱になり心も体もガタガタに。
そういうこともあります。でも、少なくとも、物理的な場合は自覚しているので対応可能。実際、その次の学期で同じように10週間課題50個を2回目にやった時は、神経衰弱になることなく上手くタイムマネジメントできました。心も体も想像以上の自己治癒力と適応力があるので、問題を認識さえ出来れば大丈夫。
一番怖いのは、気が付かないこと。病気を引き起こすストレスは圧倒的にそのケースが多いような気がします。