サーカディアンリズムと睡眠衛生

人の体は太陽の光とともに生活するようにデザインされています。

人の体にはサーカディアンリズム(概日リズム)と言う体内時計が備わっていて、日の光や食事などの刺激を受けながら24時間周期でホルモンが働き、地球の自転周期に伴って、昼間に活動をし、夜に睡眠をとるようにできていることは、みなさんご存知だと思います。

ストレスホルモンのコルチゾールの分泌は、夜明けとともに徐々に高まり目覚めを促し、1日のストレスに対応できるよう、朝食を摂った後の朝8時頃にピークを迎え交感神経を働かせ、午前中から夕方にかけて日の傾きとともに徐々に減っていきます。日が完全に落ちて夕食を摂った後、夜9時頃を境に眠りのホルモンのメラトニンが代わりに分泌され始め、だんだんと副交感神経が働きリラックスし、睡眠モードへと体が変わり眠りにつきます。

なので、朝食時には十分にコルチゾールが出ているので本当はコーヒーは必要ありません。飲むながら、1日1杯、コルチゾールが下がり始める10時か11時頃がベストでしょうか。

サーカディアンリズムは、これが本来あるべき形なのですが、現代の生活では、十分な消化酵素が出るはずの朝に十分な朝食を摂らずガス欠のまま体を酷使し、日が落ちた後も煌々と明かりがついた中、人々は職場でストレスを受けてコルチゾールを出し続け、カフェインなどの刺激物を摂り交感神経を働かせ続けています。副腎も神経も疲れすぎてすり減った状態で、まだまだ煌々と明かりのついた中、夜の9時、10時に食事をして、タイミング的に不要なガソリンを大量に体に投入して無理に消化器官を働かせ、テレビやパソコンで脳に刺激を与え続け、消化が終わる間も副交感神経も働かせる間もなく、体の疲れに任せて眠りにつき、頭と心と内臓の疲れが取れないまま。メラトニンもしっかり働いてないので、眠りも浅く、良質な睡眠が取れません。

コンサルテーションでも、不眠の人にはもちろんのこと、ストレスを受けている人、すでに副腎疲労が見られる人、不安症を抱えている人、またはストレスがトリガーの病気がある人、などには、食事のアドバイスの他にストレスマネジメントの一環として睡眠衛生を整えてもらうよう必ず処方箋に加えます。

睡眠衛生(Sleep Hygiene)とは寝る前の1時間の過ごし方です。

  1. 間接照明に切り替え、部屋を暗くする。
  2. テレビ、パソコン、携帯は見ない。理想は、寝室には携帯は持ち込まない。
  3. 交感神経を高める熱いお風呂は寝る2時間前までに、同じく交感神経を高める運動は寝る3〜4時間前までに済ませること。(できれば運動は朝に)
  4. 温めのお風呂に20分程度浸かるのはOK。エプソムソルトやエッセンシャルオイルなどを垂らすとなお良いです。
  5. カフェインフリーのハーブティーを飲む。
  6. リラクゼーション効果のあるエッセンシャルオイルを焚いたりしながら、リラクゼーションヨガやマインドフルメディテーション、リラクゼーション呼吸法などを行う。
  7. 読書やリラクゼーション音楽を聴く。

要するに、本来あるべき夜の環境を作り出して体に「夜だ」と理解をさせ、なおかつ、副交感神経を高める訓練をします。ストレスで体と心のバランスが崩れ始めている時は、体を整えると徐々に心がついてくるので、まずは、物理的に、または訓練をして体を整えます。

まず一番簡単なのは1番の明かり。これは簡単なので是非取り入れてもらいたいです。私も家では、集中しなくていけない仕事がある時以外は、夜は間接照明しか使いません。そして、体に「もう夜だよ」と教えてあげます。

2のテレビ、パソコンはどうにかなるとしても、携帯は難しいかもしれません。でも、睡眠に影響を与えるほど心理的ストレスがかかっていると意識した時は、寝る間際は携帯から離れる『訓練』をするのが良いです。

4や5はお好みでいいのですが、6に関しては副交感神経の向上の『訓練』として、リラクゼーションヨガ、マインドフルメディテーション、リラクゼーション呼吸法、どれでも構わないので、10分でもいいのでやってみるといいと思います。

現代人の研ぎ澄まされた交感神経はちょっとやそっとのことではオフが出来なくなってしまっています。出来たとしても、じゃあ、普段の生活で自由に副交感神経を働かせることができるか?というと、それができないので、その代わりにお酒が必要になったり。

副交感神経を働かせるのには訓練が必要です。体に思い出させるのに少し時間がかかりますが、でも、一度できるようになると楽にスイッチを切り替えることが可能になります。

マインドフルメディテーションなどは今はyoutubeにもたくさん使えるものがあるので探してみると良いです。英語のわかる人は英語の方が質がいいものがたくさん見つかると思います。

呼吸法もいろいろありますが、以下は私が好きなもの。自然療法で有名なワイル博士もオススメしていますが、私は偶然同じ4-7-8呼吸法を気功の先生から教わって昔やっていました。

【4-7-8呼吸法】舌の先を上の歯の裏に当てておきます。2から4を4回繰り返します。これを1日2回まで。

  1. まずは口から息を吐ききります。
  2. 4秒かけて鼻から息を吸います。
  3. 7秒間、息を止めます。
  4. 8秒かけてシューっと言いながら口から息を吐き出します。

具体的なやり方はワイル博士のビデオをどうぞ。

呼吸法はどれもそうですが、やったその場での効果を期待するものではなく、毎日続けた後に効果が出てきます。簡単に続けられる楽なものを探してみてください。

あと、睡眠衛生自体からは話はそれますが、本当に深い副交感神経のスイッチを自分で自由に入れられるようになる方法の一つが「ヒーリングを受ける」こと。これは私の実体験ですが、気功やヒーリングを何度か受けると、普通にマッサージなどを受けるよりも深いところまで行きます。その体験を何度か繰り返すと、そのうち静かな環境の中で呼吸を整えるだけで自分でも簡単に同じ状態になることができるようになります。

実はこれができるようになると、ものすごく気持ちの良い瞑想ができるようになりますが、話が長くなるので、それはまたいつかの機会に...。

オススメのヒーラーは、日本はあさかちゃん、シドニーはしほちゃん。実はお二人ともヒーリングもできます。日本にはもう1名いらっしゃいますがご本人の承諾が取れたらここで後日追記しますね。

話は戻って、睡眠衛生。これは、体に問題がある人だけでなく、ストレスはいろいろな病気のトリガーになるので、病気の予防のためにも、30分でもいいのでみなさんの生活に取り入れていただけたらと思います。

今日も気持ちよく、幸せに、おやすみなさい♪