人生の質の向上の仕方

ちょっと長めなので読み進める場合はご注意ください。

私は自分の経験からも慢性疾患には心のあり方が深く関わっていると考えています。遺伝的要因があって発症をしたとしても、その後の症状の程度と現れ方には心のあり方と物の考え方が深く関係していると考えています。

先に誤解を与えないようにご説明したいのですが、私は基本的にはごり押しの強い自己啓発的なものはあまり得意でなく、さらに、リプログラミング的なものはどうしても「書き換え」のイメージなので心が拒否します。ネガティブなものをポジティブにもっていこうとする行為はいつかどこかに歪みが生じると思っています。

体と心の不一致を治すためにも、あるがままの姿をまず受け容れるということが一番大切だと信じています。心の中の悪も善も闇も光も、そのままそこに存在することを認めることが、自分を認める上でも、他人を認める上でも、心と体をつなげる上でも大事だと考えています。

特に心には体以上の素直な自己治癒力があり、どのような感情でも認識して認めるだけで、もう解決・浄化の道の半分は進んでいます。もう一歩進めるとしたら、そこに光を当ててあげることです。

インナーチャイルドの癒しのワークはしほちゃんが「私を生きるセラピー」で行っています。とても良い確実なセラピーなので、これまでインナーチャイルドにアクセスしたことのない方には是非オススメです。思考の癖というものは20歳まで、特に幼少期にある程度作られてしまうので、自分の生き方に大きく影響するその思考の癖を完全に改善できなくとも、せめて認識をするだけでも生き方が大きく変わります。また、問題が特定されている場合は、ヒプノセラピーもオススメです。ヒプノもいろいろありますが、私に大きな影響を与えたヒプノを継承されているmilieupの赤司真希子さんはオススメ。8月末のワークショップを一緒に行う信頼のおけるお二人です。

で、特に宗教がかった自己啓発グループが苦手な私が今日ご紹介する方は、過去の経歴に良くも悪くもアメリカで昔有名だった巨大自己啓発グループの活動が入っているのですが、その活動を全てお勧めしているというわけではないことだけ認識してください。

小南美奈子さんという方。ずいぶん前になりますが友人が紹介してくれました。コーチングの世界では有名な方なのかと思います。

戦後すぐ若くして渡米し、苦労してお医者さんになり、腎臓科の専門医として医療に従事。病気を治しても亡くなる患者さんなどに接するうちに、病気と心(思考の持ち方)の関係に深く入り込まれたようです。40代で、「自分の観点さえ変えれば、環境を変えなくてもすべて変わってくる」という人間教育のカリスマトレーナーに転身し、日本でも多くの方へ向けてセミナーを行って来られたようです。なんと、67歳でMITに入り経営学を学ばれ、69歳で起業。残念ながら2015年にお亡くなりになられました。

彼女の活動を調べていたら、彼女の1時間半のセミナーを17分ほどに編集された動画を発見。私はあまりコーチングのことは知りませんが恐らくコーチングの考え方の一例なのかと思います。巨大自己啓発グループの活動はさておき、ここでお話しされている内容自体はとても良いものだったのでシェアします。

  • 目標:ゴール(具体的・事実・結果・特定:いつ・どこで・誰が・何を)
  • 目的:パーパス(何のためにそれをするのか?自分で作り出すもの)
  • コンテクスト:場、フィールド(自分で創作するもの)

ここでは細かく説明しないので動画を見ていただくと良いかと思います。

「目標」「目的」「コンテクスト」。この中でお話されていることは色々な視点から切り取って拡大していけると思いますが、『「目的」を明確にして行動をする』のは、人生の質を高めるのにシンプルでわかりやすくて簡単。

目的を意識するだけで、簡単に生活の質が数段上がると思います。何よりも日々の全ての物事が前向きになります。顔と意識を向ける方向さえしっかりぶれずに固定しておけば、愚痴や不満も格段に減るはず。そちらに向ける時間もエネルギーすらも惜しくなります。

目的次第で次にやることが現れてくる。本当にそうだと思います。

「目標」「目的」を定められない環境にいるのならば、「コンテクスト」が間違っているのかもしれない。これ、シンプルに説明されていますが、すごく深いことで、ある程度長く生きて経験を踏んで初めてこれが何を意味しているかがわかるようになるのかも。そして常にこのコンテクストを苦しんだり悩んだりしながら自分の現状に合わせて変えていくのが人生。家も、結婚も、就職も、生き方も。

何かがうまくいっていない時は、「目標」「目的」「コンテクスト」のどれがうまくいっていないのか考えることで正しくアプローチができるでしょう。

この「目標」「目的」「コンテクスト」のライン全体がしっくりいかない時。それは、自分が自分の人生を生きていない時。間違った「目的」を持っている時。「目的」を錯覚している時。そういう時に病気になりやすくなります。

ただ、この「目標」「目的」「コンテクスト」をうまく回らせるのには、そもそも、「自分の心」や「意識」を置く場所を、自分の信念や自分らしさに沿うように、長い人生で少しずつアジャストしていく努力も必要かと思います。小南さんの他の講座や本でも、そこに至るため、「自分も他人も許す」ことや、「事実」と「概念」を切り分けることや、「傾聴」の重要性なども、<個>の確立の過程の1つとして触れられているようですが、もう少し広く、人生や生き方というものに向き合う時、この「目標」「目的」「コンテクスト」の視点でものを見るのはとても有意義で大切で、何よりもシンプルでわかりやすいのではないかと思います。

「コンテクスト」の解釈はいくらでも拡大できます。家庭、結婚生活、会社、社会というぞれぞれの枠でのコンテクスト、宇宙、地球、人類全体におけるコンテクスト、広くも狭くも捉えることができます。自分の身をどのコンテクストに置くか。

「コンテクスト」は20代の若者たちが一番悩む部分なのかと思います。若い人は自分を正しいコンテクストに置く術を得ていないことが多いので、その間は、与えられた環境で「目標」と「目的」を持ち、与えられた課題をコツコツとこなすことも大事かと思います。1つの「コンテクスト」を自分で作り上げ、そこで窮屈さを感じ始めた時に、初めて次の「コンテクスト」を選ぶ目、または作り出すスキルが出来てくるのかと。

また、年齢を重ね、長く同じコンテクスト内で生き続け、自分のエゴや固定概念がコンテクストに溶け、却って身動きが取れなくなることもある。こういうものを「デフォルトコンテクスト」と呼ぶそうで、「自分は誰か」という信じ込みのようなもの。小南さんもお医者さんという立場からトレーナーに転職した時期に、医師であった時のエゴを捨てられない自分に気づき、その時に「デフォルトコンテクスト」を乗り越える体験をされたそうです。だからこそ言葉に説得力があるのかと思います。この「デフォルトコンテクスト」はエニアグラムで一番初めに選ばれる自分とも少し似ている感じがしますね。壊さなくては本来の自分に戻れない、「私はこういう人だ」と信じ込んでいる作り上げられた自分像。

私もこの「デフォルトコンテクスト」に2回ほど違う形で苦しんだ時期がありました。その1つが30代で患ったひどいアトピーのそもそもの発症の原因になっていたようです。

長くなりましたが、こういう話は読み手の方がその時に自分に必要なインスピレーションを自由に感じるものかと思うので、ここら辺にしておきます。必要な人にその人に必要なメッセージが届きますように。

次回は小南さんの著書『「病は気から」ニューアプローチ』のワークをやった感想です。