子供の脳のおはなし

定期的にお子さんのご相談を受けます。ADHD、トゥレット障害(チック症)、その他発達障害の疑い、アトピー、扁桃肥大やアデノイド肥大、過去には目のガンのお子さんのご相談ケースもありました。

先日は、アデノイド肥大のお子さんで手術での除去に反対されているご両親がまずは自然療法で何かできないかとのご相談でした。扁桃腺は喉の両脇にありますが、同じくリンパ系の組織のアデノイドは鼻の奥にあり、上気道の免疫を司ります。このアデノイドが風邪の症状がないのに肥大をし、呼吸困難・いびき・睡眠時無呼吸症候群・慢性的な中耳炎や副鼻腔炎・発声の問題を伴うことがあります。

扁桃肥大やアデノイドは5〜6歳を最大に肥大し、10歳ぐらいになるにつれ徐々に小さくなっていくと言われていますが、この5歳から10歳の間に程度がひどいと呼吸困難で酸素量が低下し成長を阻害することがあります。また、中耳炎を繰り返したりする場合、切除を選択するケースが多いかと思います。

ただ、一方で扁桃腺やアデノイドを切除した場合、大人になってから喘息、インフルエンザ、肺や気管支の感染や疾患のリスクが上がる可能性があることや、短期的には改善する副鼻腔炎や中耳炎も長期的には再発する、また、呼吸の問題も継続する、などの研究結果も出ています。

オーストラリアでは医師に切除を勧められても「できれば手術させたくない」と自然療法を望む親御さんも多いです。親御さんが「手術をさせたくない」と望む場合は、ナチュロパスはまずは自然療法でできるところまで試すサポートをしたり、または「手術をしたけれども早く回復させたい、今後の免疫機能をサポートしたい」と望まれる場合はそのサポートを行います。自然療法でも改善しない場合に親御さんは手術を決定することになります。

必然的に、切除する利点が切除した場合の長期的リスクを上回った時に決断することになるかと思います。

あくまで、誤解しないでほしいですが、ナチュロパスから手術をしないことを勧めることはありません。それは親御さんの判断です。ただ、ナチュロパスのコミュニティではナチュロパス同士で「扁桃腺やアデノイドを取るべきか取らざるべきか」を議論することはあります。確かに、呼吸の阻害になっていた肥大した臓器を取り除き、酸素量が増えることで一気に成長が進むことがあります。

ここでは肥大した扁桃腺やアデノイドを切除するべきかどうかの話はしませんが、扁桃肥大やアデノイド肥大だけでなく、上述した発達障害系の症状を含み、10歳までに起こる症状への対応に際して、知っていた方が良いと思う子供の脳の成長の話です。

脳はどうやって成長するか。

私たちの脳は生まれてすぐにどんどん脳細胞を増やし、4〜5歳で大人の脳細胞の数以上の細胞を作ります。脳細胞はアメーバのような形をしていてニョロニョロの尾っぽを持っています。この尾っぽの先から次の脳細胞に脳内伝達物質を流していきますが、その次の脳細胞につながる空間部分をシナプスと呼びます。

この尾っぽの部分にあるビーズのようなミエリン鞘。これが電気信号を流していく部分です。

生後数日からこのアメーバのような脳細胞をどんどん作り、ミエリン鞘を作っていきます。そして、生後数ヶ月からこのシナプスのつながりもどんどん増えていきます。4〜5歳になるまでに作られた大量の脳細胞が今度は少し減っていき、数として大人の脳細胞と同じ数に落ち着いていきますが、ここから先、今度はシナプスの活動が10歳ぐらいまで非常に盛んに行われ、脳細胞のつながりを強化していき、それとともに学習をしていくことで、脳としての機能が部分ごとに順番に成長していきます。

この期間、大量に作動するシナプスのつながりも余分な部分が間引き・刈り込みをされていきます。脳細胞と同じように、うわっと増えて、徐々に減らしながら調整されていきます。この大量にシナプスが活性化されている時期に大部分を占めるのが興奮性シナプスで、抑制性シナプスは割合が少なく、興奮性シナプスが過剰に働き続けている状態の発達障害の症状が表に出てくることがあります。

このため6歳ぐらいから9歳ぐらいの間に発達障害やチック症が明確になってきます。ただ、これらの症状もシナプスが刈り込みされ、また、抑制性の活動も成長し出すと、自然と落ち着いていくことも往々にしてあります。これが、発達障害のような症状も一過性でいずれ落ち着くことがあるので焦らずに、と言われる所以です。

それだけ、赤ちゃんの頃から4、5歳、また10歳ぐらいまでの間、脳はダイナミックに成長します。ダイナミックに成長する時期であるがゆえに、トラウマにも弱いです。幼い頃のトラウマが大人になっても残りやすいことは、幼い時期の身体的・言葉の虐待・夫婦喧嘩を耳にすること・心ない言葉、などで脳の特定部位が縮小したり却って大きくなってしまったりと、実際にサイズに変化が見られることでも説明がつきます。虐待や耳にすることや見ることで脳が実際に大なり小なりダメージを受けていくということです。

そのため、この時期までの、栄養・酸素・愛情・教育がとても重要になります。脳には可逆性もあるので、ダメージを受けても、これら栄養・酸素・愛情・教育を受けたらどんどん正常に戻っていきます。ただ、それもできるだけ早い年齢で行ってあげると良いです。

特にこの時期に考えてあげたい栄養。それはDHAです。上記の絵にある脳細胞のミエリン鞘。これがほぼ7〜8割脂質からできています。この部分の質が脳細胞とシナプスの流れにとても重要ですが、この脂質の良質な材料となるのがオメガ3脂肪酸。特に良いのは魚の脂のDHA。これが子供の脳にDHAが必要と言われる理由です。お魚が嫌いなお子さんにはサプリでのDHAの補充を考えてあげると良いでしょう。

冒頭のくるみもオメガ3脂肪酸を含んでいます。昔からくるみは脳に良い食べ物と言われています。代表的なDoctrin of Signatures(象形薬能論)ですね。体の臓器に似た植物はその臓器に薬理作用を持つといわれるものです。

10歳までの脳の成長のサポートが重要と書きましたが、10歳で脳が出来上がるわけではありません。脳の成長はそのまま20代なかばから後半まで続きます。一番最後に24、25歳頃で前頭葉のシナプスが完成して30歳頃に成長を終えます。行動と結果、そのリスクについて考える部分です。一時の報道でよくあった、コンビニや飲食店のアルバイト先の調理場でバカな行動をしてしまう20代前半の若者たち。今ではコロナチャレンジとかしている海外の若者とかですね。あれは脳がまだ出来上がっていない証拠です。脳が出来上がってないので仕方がありません。

また、ティーンエイジャーの時に摂食障害を起こすと、やはり脳・体への影響を大人になっても引きずることがあります。18歳まではしっかり食べさせてあげましょう。また、どうしても食べれなかったとしても20代でも遅くないのでしっかり栄養を摂ってください。20代になってくると自分の責任なので。

ただ、現代の社会は化学物質や重金属などたくさんの毒素が存在しているので、普段のお食事ではどうしても機能を向上させるほどの栄養補充ができない部分があります。特に発達障害などでヘビーなケースになってくると、ほぼ脳が出来上がる20代に入ってしまうとなかなかそこからの向上は難しくなります。少しでも考えうるリスクを減らすために、一番重要な10歳までの間に、お子さんの栄養補充を考えていただけたら良いかなと思います。

上述のクライアントさんには、手術前にやってみれること、補充できる栄養、免疫を上げる処方、酸素量を増やす方法などを処方箋で紹介させていただきました。今回は偶然、その次にお会いしたご家族も似たようなケースでした。今回は、両方の親御さんとも栄養や自然療法に対してとても理解があり前向きなので良かったなと思います。

一般の方で、悩ましい症状、特にグレーな症状がある場合は、まずは、砂糖と精製小麦の制限をしてみましょう。欧米では砂糖は子供を興奮させる食べ物という認識が一般常識で広まっています。興奮性シナプスが過剰になっているところに興奮性の砂糖をのせたらどうなるか、ということですね。「キ〜!」となってしまいます。砂糖の食べ過ぎ、パンの食べ過ぎには注意しましょう。

アレルギーや免疫系の症状がある場合は精製小麦と乳製品を控えられると良いです。お食事を整えるだけでも上記全ての症状の何割かは改善できます。

お子さんたちがすくすくと育っていかれますように!

子供の脳のおはなし」への2件のフィードバック

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  2. ピンバック: グレーゾーンやボーダーという概念 | Wholeness of Nature

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