不妊治療中の人、また、不妊治療を卒業した人へ その4 <産まない決断をした女性たちへ>

最後は、あるポッドキャストのご紹介です。

友達が紹介してくれた『Flow ~ 産まない産めない女性の幸せな人生計画』

ポッドキャストはこちらから。

番組の説明文から引用します。

「母親になることだけが女性の生きる目的や価値なのでしょうか。自分で産まなければ母親にはなれないのでしょうか。このポッドキャストは、周りや社会からの期待や固定観念から解放され、それぞれの状況に置かれた女性たちが自分らしい選択をし、人生をより良く生きるにはどのようなマインドセットが必要なのかを、8年間の不妊治療を経て38歳で産むことにこだわらず、パートナーと共に40代を楽しく生きることを決めたMayumiと一緒に探求する番組です。不妊クリニックでは教えてくれなかった「やめどき」や、多様な選択肢。実はそれを選べる自由があって、その選択を実践しているロールモデル(先輩)がいれば、私たちはもっと生きやすさを感じられるはず。17年の海外生活から学んだ多様なライフスタイルを参考に、将来への不安や生きづらさを感じている日本人女性に「私はこれでいいんだ」と自信を持ってもらえる番組を目指します。」

不妊治療自体があまり表にでない話題ではありますが、不妊治療を止めた人たちや、不妊治療はせずとも、子供を産まない決断をした人たちの人生というのはさらに語られないかと思います。

このポッドキャストはそれらの「産まない決断」をした女性たちのストーリーです。ポッドキャストなので洗い物など家事をしながらスマホで聞けるので便利です。

不妊治療の止め時を考えている人には、これら先輩たちのいろいろなストーリーから、何か感じるものもあるかもしれません。

また、子供を産まない決断をして生きる女性たちにも、自分一人ではないということがじんわり身にしみるお話。

まぁ、子供を産まない人生を生きる点においては私もそのうちの一人なのですが。

これだけいろいろな人のストーリーを紹介させていただいて自分のことを書かないのはフェアではない感じがするので、不妊治療とは関係なくつまらないかもしれないですが、私の話も書いておきます。

私は今50歳になろうとしている未婚・子なしのシングルです。単純にわかりやすく、20代は恋愛、30代は仕事に没頭していました。まだまだ皆がモーレツに働いていた時代の30代。外資での仕事は男女関係ないので、責任のある仕事も任され、やりがいもあり、でもその分、常に自分の能力を超えてチャレンジし続けないといけないハードさがありました。正直、あの時に恋愛・結婚・妊娠・出産、プラス仕事は無理でした。

環境も、私よりちょっと下の世代は男性も子育てに参加する世代で、でも、ちょっと上は専業主婦が当たり前の世界で。その狭間にいました。実際に私の30代の時代でも日系の大手の会社の管理職に女性はほとんどいない印象でした。

高齢出産という言葉は知っていても、実際に本当に女性の体が何歳まで子供を産めるのか、高齢出産は実際に何を意味するのかきちんとした教育も情報もあまりなかった時代。卵子凍結の技術もどこかの遠い国のラボの中の話で、かといって、保育園など育てるためのサポートも十分ではなく、男性と同じように仕事をしながら子供を産んで育てるということが発想としてあまり現実的ではなかった時代。

幸い私は外資にいたので仕事の面で男性に対して不利なものを感じることはなかったものの、でも、同じ業界の女性たちで30歳前半で子供を育てながら仕事をしている人は少なく、実際、だいたい仕事がひと段落つく30歳後半から初めて子作りを考える人が多かったです。私の周りは30歳後半から40歳前半で子供を生んでいる人ばかり。

で、まぁ、皆がそうして落ち着き始めて結婚・子作りをする時期に、私は、出会ってしまったナチュロパシーという「残りの半生を生きるための新しいキャリアチェンジ」に迷いなく挑んでしまい、40歳を超えてオーストラリアに留学。ナチュロパシーの勉強はモーレツにハードで常に課題で張り詰めている状態で、恋愛を避けないとやり続けられず、お付き合いですらできる余裕や体力は微塵もありませんでした。微塵も。結婚のコミットメントや子作りなんてお伽話の話。

そんなこんなであっという間に妊娠適齢期が過ぎていってしまいました。

いずれにしろ、私は特に自分の子供が欲しいと思ったことはないので、30歳の頃には「妊娠したら産めばいいし、産む機会を逃してしまいそれでも誰かと子供を育てたくなったら養子をもらう」と決めていました。むしろ、私にとっては結婚や子供よりも「70歳の時に自分のライフワークになる仕事を持っていたい」という目的の方が断然重要でした。その具体的な目標ができてしまったので迷いなく猪突猛進でした。

なので、今「50歳になろうとしている未婚・子なしのシングル」なわけですが、今、負い目も後悔も全くありません。むしろ幸せです。

私の場合は、ナチュロパスとして不妊のクライアントさんたちを通して新しい命の誕生に携わることができます。そこにエネルギーを注いでいければ本望です。

今までの人生、東京、北京、ロンドン、オーストラリアと転々としていましたが、今は居場所も落ち着いて、求めていたものが手に入り、自分の好きな仕事もできているので、やっと気持ちに余裕ができてきたところです。なので、パートナーはいるといいなとは思います。ただ、それにも焦りはなく。

私は、世間一般の幸せの基準ではなくて、自分の幸せの基準が明確にあるのだと思います。私の生きたい生き方ができれば満足だし、ハッピーです。

でも自分がそうだからこそ、皆がそれぞれに生きたい生き方で生きれるように、不妊にしても、西洋医療に対する自然療法にしても、本当の意味で多様性という言葉が生きるように、いろいろな分野でみなさんにたくさんの「選択肢」を与えられる社会になればと切に切に願っています。

こんな生き方もある、ということでご紹介でした。

では、これにて「不妊治療中の人、また、不妊治療を卒業した人へ」シリーズ終了です。

長々とお読みいただいありがとうございました!

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