Why = コンセプト・理念 = 情熱 = 夢

ご縁あってWSに参加させていただいた五術のAiさんのリツイートから知った(説明長い)このTEDトーク、よかったです。五術についてはすごく面白いのでまた改めて紹介しますが、まず先にこちら。

アップルを成功例として紹介しながら『優れたリーダーはどのようにして行動を促すか』について語るサイモン・シネックさんのトーク。夢を実現しようと頑張っている人々におすすめ。日本語字幕も選べます。

いつもは「アップルはこうしてる」だの「スティーブ・ジョブズがこう言った」だののSNSの投稿類は、特に後者については本当のことではないことが多そうなので横目で見ながら流すのですが、ここで語られていることは本当というか、これがマーケティングや経営の世界でどう語られているのかは私はそのエリアに疎くて知りませんが、マーケティングにせよ経営にせよ、アップルがまずコンセプトありきで動くのは広く知られているのではないかとは思います。

90年代からその世界観を思いっきり広告にも全面に出してますし、諸々のスティーブ・ジョブズの伝説からも知られていることと思います。

で、実際、働いていてその通りの会社でした。絶対的な「Why = コンセプト = 実現したい世界」的なものがあり、それを実現するために各部署の末端までの行動に落とし込んでいく。14年いた最後の半分はオペレーションというサプライチェーンを担う部署にいましたが、営業とは異なり直接的にお金を生む部署ではないのでターゲットなどはない代わりに、日々の業務以外で、部署としてサプライチェーンを状況に応じて進化させていくためのゴールや厳しいタスクが常に上から落ちてきていました。

とにかく業務のスピードの速い会社でした。ちなみに、会計の観点からいうと四半期に分かれていますが、これも株を持っていたり経営の点からアップルを知っている人はご存知かと思いますが、普通の会社ならば一年に一度の年度末でぎゅっと締める、または、せいぜい半期の二期でぎゅっと締めるところだと思いますが、あの会社は四半期全部年度末並みにぎゅっと締めます。なので財務や生産管理など関連部署は大変です。そこからもわかる通り、経営のジャッジとそこから日々の業務に落ちる指示も、ごくごく平均的な日本の会社の4倍の速さで進む体感であまり間違いないのではないかと思います。今は分かりませんが、多分当時でも、平均的日本企業での月単位の流れが、アップルでは週単位で進んでいくイメージだったかと思います。

なので、ものすごい速さで全てが動き、また、それに合わせてゴールやタスクが落ちてくる。それが全てこの動画でいう「Why」から生まれるタスク。

大きな「Why」を実現するための小さな「Why」が各部署に散らばっていきます。「Why」を解決・実現することって大抵既存の概念にはないことです。そこにすでにあるものであるならば「Why」は生まれないので、通常はそれは当然のことながら実現不可能なこと。グローバルな「Why」は各国の商習慣など無視していますから、不可能の度合いといったら、もう。「よくそんな斜めの角度でものを見ましたね!」というような、本当に既成概念を破るってこういうことか、と涙ながらに実感したものです。

因って、3ヶ月に一度、中期の「実現不可能なタスク」と、それとはまた別に長期の「実現不可能なタスク」と、イベント毎や日々の業務での短期の「実現不可能なタスク」と、「実現不可能」だらけです。「実現不可能なWhy」がテトリスのように落ちてくる日々。営業目標のように6割達成とか8割達成とかはあり得ず必ず「100%実現」で、「できない」という言葉は存在しない世界でした。(ちなみに最近はこんな感じではないそうです(笑。15年ほど前の話なのでモメンタムを創り出す過度期だったのでしょう。)

ただ、全てが大元の「Why = コンセプト・理念」からはズレていないので、言葉にしなくても皆常に同じ方向を向いて同じ責任感と力強い行動力で実現していきます。そして、実際にまさに言葉無くして信頼と忠誠心が自然と生まれていたように思います。あれだけ大変なことを皆が同じ熱量で進めていけるということ自体が今考えてもすごいことなんだなと思うわけです。それができたのは多分「Why」が明確だったから。

その瞬間はもう「こんなの実現不可能だ、どうしたらいいんだ」と思いますが、とにかく考えて実現するプランを作り、部署で協力して行動して実現し、そして、数年後に後ろを振り返ると過去10数年にわたってやったきたこと全てが一本の線で繋がっていたことが見える、という、働いていてなんとも醍醐味のある会社でした。

そして、この『「Why」から生まれる「How」「What」をどう実現するか』を徹底的に訓練されたので、私個人、当時不可能に思われたナチュロパスへのキャリア転換も実現できたのだと思います。あの訓練がなかったら絶対実現できなかったこと。

ナチュロパスになる、と決めたのも、この「Why = 日本の人々に多くの医療・健康実現の選択肢を与えることができるようにナチュロパシーを持って帰る」が強烈な熱量で存在していたので、諸々のリスクなども全く不安要素にならず、仕事でやってきていたように「How」「What」を考え、周囲を説得し、欲しいものは必ず手に入れて実現し、突き進んできました。(支えてくれた母には感謝です)

「Why」は、コンセプト・理念の他に、その人の経験やストーリーだったりもしますよね。この「Why」が、情熱を生み、夢となることを実体験で経験して生きていると、自然と周りにも同じコンセプトや情熱を持つ人が多くなります。そして、人のそれに触れると魂が高揚します。

先日もある方のインタビューをしていて、その方の「Why = コンセプト・理念 = 情熱」に触れた時に、ふわっとインスピレーションが湧き、魂が刺激され、改めてその重要性が感じられました。やはり、そのコアに触れると、喜びも増し、感情も刺激され、自然と行動に移すモチベーションが生まれます。

脳の中で花火のスパークが起こる感じ。

まさに「情熱が本当に重要だな」と感じていた時にこの動画を見て、「Why」が「大脳辺縁系 = 感情、信頼、忠誠心、意思決定。言語ではアクセスできない。行動に直接的につながる」と知り、「な〜るほどね!」と納得してしまった次第です。「How」「What」を司る言語と合理的分析のための大脳新皮質では、行動には直接繋がらない。空の理論になります。

色々なことを実現していくために、また自分らしく生きていくために、この「Why」を明確にして、できればそれを表現して表に出していくことは本当に大事だと日々思います。

私の周りはホリスティックなセラピー(夢)を実現しようと頑張る若い人たちも多いので、ぜひこの点を意識して行っていかれたらと思います。夢を語り、なぜそれをする必要があるのかを語る。

実現不可能なことはないので、あとはどのような夢を持つのかが大事。

みなさん、頑張ってください!