ケースのご紹介:機能性ディスペプシア その2

その1からの続きです。

まず、初回のコンサルテーション後、2週間後には食べられるものの種類がぐんと増え、食べるものの量も少し増え始めました。ただ、コンサル時に下がり続けていた体重の減少はすぐには止まらず、コンサルの3週間後には26キロまで落ちました。

主治医からは29キロ以下になったら強制入院と言われていたようです。ただ、入院をしても点滴は受け付けられずそれこそ病院食は食べれないためご家族も躊躇されており、実際に種類も量も少し多く食べれるようになってきていたこと、また、消化酵素を摂り始めてから食後のだるさが改善するなど、症状の良い変化が見られ始めていたことから、通院も継続されながら、当時は毎日報告をいただいて注意深く慎重に経過観察をしていました。

サプリからも栄養が入ってきて、身体がシフトチェンジをした踏ん張りどころだったと思います。この直後は頭が痺れ、全身の血管が痛み、むくみの症状もありました。ご家族も心配と焦りを抑えるのにご苦労されたと思います。それらもコンサル後5〜6週目ぐらいから和らぎ始めました。

コンサルから2ヶ月後には体重は30キロに戻りました。その後は1ヶ月に1キロペースで本当にゆっくりゆっくり体重が増えて行きました。

食べれるものの種類はどんどん増えたものの、食べやすく消化しやすいものはのぼせにつながるため、調理法、食べ方、および食べる順番を選ぶのが非常に大変だったようで、一時期は食事時間が1食4〜5時間に増えてしまいました。時間をかけ徐々に食事時間を2時間程度に短くできるように調整してきました。

シフトチェンジが落ち着いた後は一気に毛細血管が作られ始めたようで、唾液も出るようになり、目ヤニなどの老廃物もまたできるようになりました。

その後の課題は脂質を少しずつ摂れるようにすること。受け付けなくなってしまっていた油を少しずつ再開し、そのうちしっかり魚を摂れるようになりました。そのあたりから、のぼせも、しょっぱさもまた1段階改善したような感じです。身体の所々にあった痺れがなくなり、皮膚が厚くなり、全身に肉がうっすらつきはじめてきました。

当時はコロナが始まりオーストラリアのサプリを使えなかったのでiHerbのものを使用していましたが、4ヶ月目移行やっとオーストラリアの高品質の医療グレードサプリが使えたのでここから一気に改善していったのではないかと思います。

6ヶ月目から8ヶ月目あたりは、DHAのサプリもプロバイオティクスも摂れるようになっていたので、頭の疲れ、目づかれが軽減し、声のトーンに幅が出て、のぼせも下腹部の張りも軽減し、異常な喉の渇きがなくなり、皮膚や爪がどんどん正常化し、鈍っていた感覚が戻り始めたそうです。

この辺りから、消化酵素を少しずつ減らし、自分の体で消化酵素を作れるようにリハビリです。
半年目ぐらいまではのぼせとの戦いで、ご本人とご家族ともにものすごい忍耐力が必要だったと思います。体重の増加がものすごくゆっくりだったのでそれに合わせて食やサプリメントも調整していきました。

ただ、体重の変化はものすごくゆっくりだったものの、毎回コンサルの時に上述のように「唾液が出てきた」「痺れが無くなった」という身体の機能が復活しているサインが確実にもらえ、それがクライアントさん達にも、私にも大きな励みになったかと思います。

唾液や皮脂など、健康な体ではあって当たり前なものがなくなっていき、それが戻ってきたときに失っていたことに気づく。その時に「治ってきているんだ」と実感します。身体は全て栄養から作られ機能していることを物語っていると思います。報告の1つ1つがクライアントさんの身体が生まれ変わっていく姿を物語っていて、本当に感動的でした。

今年に入り、最初のコンサルから一年。この辺りからまた少し処方内容を変えて行きました。
結果、一食で食べれるお米の量はまだお茶碗半分ぐらいではあるものの、食べれるようになるまで非常に時間のかかった糖質の多い根菜も普通に食べれるようになり、魚や鶏などのタンパク質がしっかり一食分食べれるようになり、少し脂の多い鶏や魚も食べれるようになりつつあるようで、普通のお食事内容に近づいて行っています。

それ以降、糖耐性、塩分の耐性は確実に上がってきており、筋肉も動くようになり、夏バテがなくなり、低気圧による不調も緩和し、「自分史上最も快適に夏を過ごせている」とのコメントまでいただきました。また、学生の本業、勉強が再開できるようになったそうです。

そして、この9月とうとう40キロに到達しました!

私としては40キロを一つの目標にしていたので本当に嬉しく一安心です。ここから先は一歩踏み込んで機能性ディスペプシアに陥った元々の根本原因へアクセスしていくことになると思います。ただ、今、身体が再編成されていく過程で、以前よりも様々な栄養がバランスよく整い始めているはずなので、根本原因へのアプローチも最低限の介入ですむのではないかと感じます。

今回、二人三脚で取り組まれたお母様とSさんからコンサルテーションに関するコメントをいただきましたので、紹介させていただきます。

食事が殆どとれない状況になり、半年以上経っていました。ナチュロパスの河野さんの事を知り、すぐにコンサルテーションの予約をしました。その日までの3日間の間にも状況が悪化し、予定を早めて頂けないかご相談したところ都合をつけてくださり、その日のうちにコンサルテーションを行ってくださいました。

その時に河野さんは、「食べられるようになります」とおっしゃってくださり、さらに体重が減っていった時も、その言葉に支えられて前だけを見て日々と向き合うことができました。

始めのうちは河野さんを質問攻めにしてしまい大変困らせてしまったかと思いますが、河野さんは丁寧に答えてくださり、そのおかげで少しずつ少しずつ食べられるようになり、様々なアドバイスのおかげで、いろいろな食べ物を食べられるようにアイデアをひねり出していけました。

コンサルテーションの度に、河野さんは次なるステップを用意して下さり、階段を登るように回復へ導いてくださいました。

また、体重の増加だけでなく、中学生の頃からの便秘の改善、発達障害による感覚過敏の緩和、全身のコリや倦怠感の減少、肌がツヤツヤになるなど全身に変化がありました。

河野さんに出会えていなければ、今生きてはいられなかったとおもいます。感謝の気持ちでいっぱいです。まだ糖質、脂質、塩分の摂取に課題がありますし、再発するかもしれない怖さもありますが、インターネットに溢れる健康情報に振り回される事なく、専門家にきちんと指導してもらって改善していけるんだという希望を持つことができます。

機能性ディスペプシアや、食事をすること、体重を増やすこと、耐糖能異常などで大変な思いをしている方、八方塞がりの方に、解決の糸口が見つかると思います。

身体は栄養からできていること、なんでもない当たり前の状態が実は当たり前でなく、命の食材やまたそれがあって初めて動く身体の機能のおかげで成り立っていることが実感できます。

また、今回は親子の頑張り、そのチームワークがとても印象的でした。まるでお母さんの元でSさんが胎児に戻り、また身体を一緒に作り直したような、再生の物語を見せていただいた感じ。文字通りのトランスフォーメーションです。生まれ変わったSさんをフォローアップコンサルで拝見するのがとても楽しみになりました。

まだ、元の体重に戻るには数キロ有りますが、Sさんご自身で自分の身体を作った実感があると思いますので、それが自信となり、ゆっくり確実に元に戻っていけると思います。

#機能性ディスペプシア #ナチュロパスかなえ