野菜に含まれる炭水化物とタンパク質

上の写真は今日のお弁当。これが結構デフォルトの、サーモンと野菜とキノコの無水煮弁当。普通のサイズのサーモンの切り身が1つ、巨大オクラ2本、しいたけ2個、玉ねぎ半分、人参大半分が入っています。

月曜日は、食べようと思っていた鶏肉といちじくソースが日曜日には結局食べれなかったので、お弁当に。

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いちじくが入ると雑弁当も少しおしゃれに見えますね。鶏肉といちじくソースはそれはそれは美味しかったのですが、このお弁当箱の中の味の勝者は何気に右端の巨大しめじでした。

野菜は必ず人参かかぼちゃが入り、あと、できる限りキノコ類も入れるのですが、やっぱり甘みや旨みが好きみたい。甘みが強い野菜はGIが大抵高いので量を一気にたくさんはいただかない方が良くはありますが、それも要は一緒に摂る食材次第。食物繊維が豊富に含まれた他のお野菜やタンパク質をしっかり一緒にとればあまり心配はいりません。

一番上の写真のサーモン弁当のときは、用意していた玄米ご飯を持っていくのをうっかり忘れてしまいました。でも、野菜にも意外と炭水化物が含まれているので頭を働かせるのに必要な糖分は十分摂取できます。

肉もそうですが、野菜も調理をすると、特に無水煮は素材の味がぐっと出てきて甘さが増します。甘さだけでなく、実はカロリーも増え、栄養価も増えることがあります。

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これは、オーストラリア時代のコンサルで使っていた、クライアント向けハンドアウトの1つで、USDAのデータを基にして作成した「野菜の炭水化物とタンパク質」のリスト。生憎、日本語版はまだ作っていません(全てのハンドアウトを日本語に変える作業は意外と大変でまだ終わっていないのです...)

海外、特にアメリカは、炭水化物制限に似たパレオダイエットが大人気ですが、穀類と豆類を摂れないパレオダイエットをしていて調子を崩しかけていたクライアントのために作成したリスト。

見にくいかと思いますが、野菜の種類が縦に並び、半分から左が生の状態、右が調理した状態の何グラム(一食分)またはどの程度の量につき(だいたい一食分)、タンパク質量・炭水化物量・カロリーを記載したリストです。ピンクのハイライトが高めの炭水化物量で、水色のハイライトが高めのタンパク質量のもの。

例えば、玉ねぎ1カップには、1.8gのタンパク質と14.9gの炭水化物が含まれており、生で64キロカロリーのところ、調理をすると92キロカロリーに。タンパク質も炭水化物も量が増加します。実際、アミノ酸も変性して、旨みや甘みも出てきて味覚でも感じられますね。

このブログを書こうとしていた時に、関連の論文をチェックしていて見つけたわかりやすい日本語の記事を発見。本文に描かれている「植物の細胞壁」と言われてもピンとこない人もいると思うので、これを読む前に、下に貼付した「動物の細胞と植物の細胞の参照図」もちらっと見ていただくと良いかも。

Huffpostの記事:加熱で増える食材の実質カロリー

植物も動物の細胞と似た構造の細胞を持っていますが、動物と大きく異なるのが、細胞壁。植物には弱い細胞を守る細胞壁(緑の部分)が存在します。動物の細胞(左側)には細胞膜(薄い黄色の膜)はありますが細胞壁はありません。植物にはよーく見てみてもらうとわかるとおり、細胞膜(薄い黄色の膜)も細胞壁(外側の緑の殻)もあります。

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画像:https://www.thoughtco.com/animal-cells-vs-plant-cells-373375

加熱によってアミノ酸が変性するだけでなく、この細胞壁を壊すことで、生では取りにくい、細胞の中にある脂質などの栄養素をくまなく吸収することができるのですね。

それにしても、動物と植物もこんなにも形は違うのに似た様な細胞の構造を持っているということに、植物の細胞図を初めて見た時は感動したものです。さらに植物のフィトケミカルの働きなども勉強すると感動が止まりません。

閑話休題。

上記の記事では米国医師のインタビューを引用していますが、とてもわかりやすいと思うので、ここで紹介させてもらいます。

人類は今日、エネルギー不足とエネルギー過剰、肥満と栄養失調の"二重の負担"に直面しています。

人々の好むスナック菓子やケーキなどは、高度に加工された食品で、精製した小麦粉や砂糖などの炭水化物と油脂類が同時にたっぷり使われていますよね。各成分の濃度が高い上、繊維質やタンパク質、水が取り除かれていて、非常にエネルギー密度の高い食品と言えます。

自然のままの食材は対照的です。例えば果物は糖分(炭水化物)が多い食材ですが、未加工なので繊維やタンパク質、水などがしっかり含まれており、エネルギー密度は低くなります。また、自然の食材には、炭水化物と脂質が高濃度で同時に含まれることはほとんどありません。例えば高脂質の落花生は糖分が低いですし、糖分の多いリンゴには脂質はほとんど含まれません。

その通りです。いろいろと調べるとわかりますが、自然の食材には炭水化物と脂質が高濃度で同時に含まれることはほとんどありません。それぞれの役割がちゃんとあり、バランスの良い食材を食べることが必要になるように作られており、それによって、その土地、そのシーズンに必要な、様々なビタミン・ミネラル・フィトケミカルも、少しづつそれぞれの食材から摂れるようになっています。

手抜き弁当応援歌の続きと、加熱調理で栄養価が変化するお話でしたが、話がとてつもなく広がってしまいそうなので、ここら辺で。お休みなさい。