重金属検査のとほほな結果

重金属検査ってご存知ですか?有害物質である重金属や通常のミネラル類を髪や尿で測る検査です。体内の毒素の蓄積量や排泄力を測ることができます。

ナチュロパスも海外では機能性検査類をたくさん利用します。腸内細菌の検査や遺伝子検査などと一緒に重金属検査ももちろん利用します。日本の分子栄養学の先生たちも使っていますね。ただ検査類は高額で、クライアントさんに負担をかけるので私は元々取り使ってもおらず、クライアントさんにもよっぽどでないと勧めていませんでした。

今回、行き詰まった時の打開先として取り扱いを決定したフード・バイオコンパティビリティ検査を導入する際に、重金属検査の取り扱いも考慮しようかと考え始めました。

そこで、試しに自分の毛髪検査をしてみました。

髪の重金属検査と尿の重金属検査では見えるものが異なるのですが、髪の場合は髪に出てきた重金属、尿の場合は薬剤を飲んで重金属を引き出すため、体内に回っている、または、脂肪などに溜まった重金属などを調べることができます。尿の場合、薬剤を出すことと、その後の解毒もキレーションと呼ぶ治療(これも薬剤や点滴剤を使ったもの)を行うのがメインなのでお医者様にお任せします。

髪の重金属検査だけでも十分に何が起こっているか見ることができます。

重金属といえば、水銀、ヒ素、カドミウム、ウランなど、ミネラルはカルシウム、マグネシウムは始め微量ミネラルが調べられます。

日本人は魚を食べるので水銀はよく出ます。放射線の検査技師などはウランも出ます。ヒ素、鉛、カドミウム、アルミニウムなどは、食事・水・空気・日用品などいろいろなところに存在していて体内に入ってきます。ヘアダイや化粧品も鉛を含んでいるものが多いので女性に出ることが多いです。

なかなか治らない疾患や不妊の原因を調べて、最後に重金属検査をしたら重金属が溜まっていることがわかった、などもよくあります。

私は、普通の人よりは化粧品などからの有害物質は入っていないだろうし、たまにサプリも飲んでいるのでミネラルの方は気にするほどでもないかな、と思い、むしろ、週3回ぐらいは食べているサーモンなど魚からの水銀の方を気にしていました。

と、出てきた結果がこちら。

左のブルーがミネラル、右のピンクが有害重金属。一瞬、右に目がいって、ヒ素が多少出ているものの他はほとんど出ておらず、「やった!ヒ素だけ解毒すればいいね」と思ったのもつかの間、左に目をやったら、カルシウム、マグネシウム、銅が高値。「がーん?」

さすがに普通の人に不足気味の亜鉛はサプリで摂っているので標準値。でも、さらに「ガーン?」

普段よくとるサプリはアレルギー&ヒスタミン不耐症対策のための亜鉛、他にはマグネシウムやビタミン類。カルシウムはサプリで摂っていません。

何も知らない人が見ると、「重金属ほとんど出てないね、よかったね」だと思いますが、多分違うのー!

これね、何を意味しているかというと何がしかの理由で銅が高いわけですが、銅を始めカルシウムも高いって代謝が悪いという意味なのです。他にもポイントはあるのですが、簡単に。

代謝が悪いということは、単に解毒能力がなくて有害な重金属が髪に排泄されていないだけの可能性が高いのです。よく、発達障害のお子さんとかの結果で、解毒機能がとても弱く、重金属が全くでてこないことがあります。これは決して体内に有害物質がないわけではなく「排泄」されていないだけ。

解毒機能を高めると出てきます。

そして、亜鉛でさらに「がーん」だったのは、亜鉛を結構摂っていてこの結果。亜鉛と銅は相互に拮抗作用があるので、亜鉛を摂れば銅が減るはず。結構亜鉛を摂っていたけれども摂らなかったらもっと酷かった、そして、今の量では足りないということです。

栄養素を乗せるだけでなく排泄機能を高めていかないといけません。

この検査のよいところは起こりがちな症状に加え、食べた方がよい食品、さらに代謝に注目し、その人の代謝タイプを8種類に分けて出してくれます。私は「代謝が遅く(弱く)、副交感神経が優勢で、副腎と甲状腺機能が弱いタイプ」です。

代謝(解毒)機能が弱く、副腎機能が弱いのはアトピーの人の特徴ですね。

今回の検査でわかったことは、表面上の症状はコントロールできていても体の傾向・体質自体は変わっていないということ。まぁ、ここを治すのが難しいわけですが、それが露呈しました。

あ〜ん? 確かにこの結果通りの体質なんです。でも10年近く体質改善を頑張ってきて、だいぶ良くなったのに、根本は変わっていない現実を突きつけられたというか。うへ〜ん、頑張ります。

そう、普通、重金属検査の結果だけを受け取ると「何々が多いのはなんでだろう?」とそこばかりが気になると思いますが、ソースも確かに大事ではありますが、出ている症状を鑑みながら、全体がどう回っているかの全体像を見ないといけないのです。バランス。

水銀なんかはマグロをしょっちゅう食べていれば出てくるのは当然。ただ、ちゃんとアンタゴニスト(拮抗する物質)のセレンが摂れているか、とか、水銀が多いために何かしらの症状が出ているのか、など、そこらへんを気にしたり、ね。

検査結果はその人のパズルのピースの1つ。

日本にも日本語の重金属検査があるので、取り扱わなくてもいいかなと思っていましたが、やっぱりこちらの検査はこのプラスの代謝の部分が便利なので取り扱おうと思います。オーストラリアのクライアントさんももちろんご利用いただけます。

価格や検査結果の英語をどうするかなど、もろもろ決めたら告知しま〜す!