心の緊張と身体の緊張 その2

その1からの続きです。

体当たりな恋愛をしていたのは20代のうちだけでしたが、でも30代もいつも基本は自分優先だったような気がします。30代はエネルギーを仕事でとられ、単純に恋愛に向けるエネルギーが残らなかっただけで、やはり、自分のエゴを満足させるのが優先な恋愛。

今のようにはっきり自覚はしていないものの、自分のそのような傾向、特にインナーチャイルドに関しては若い頃から気づいてはおり、成長の過程で形を変えながら様々な気づきがもたらされ、二十歳頃から30代と段階を追って改善に取り組んではきました。

ただ、恋愛に限らず仕事や普段の生活でも、「周りの怒りや緊張のエネルギーを感じ取ると緊張して固まり、過剰に防御体制に入りながらも、同時に承認欲求も起こる」というような反応が体に残っていました。

30代の頃は仕事においてその傾向が現れ、実際の問題を常に自分の評価とつなげ、プレッシャーや期待や攻撃に過剰に反応し、心身が緊張し、そして完璧主義。それにより一番自分が苦しんだように思います。

一時期は目の前の仕事の忙しさで自分のことは二の次になり、限界を超えて走り続けていたら、30代後半に大きく体調を崩し、そこから始めて「一体自分は何に対してストレスを感じているのか?」と、本腰を据えて、本格的に自分に向き合い始めました。

心も身体も、病気も、仕事も、プライベートも、家族関係も、何度も何度も壁にぶつかりながら、自分自身やインナーチャイルドに向き合い、たくさんのメンタルワークやボディワークをし、約15年もがいてもがいて、やっと、今の自分と今の環境を手にいれています。

今現在、ナチュロパスという天職と思えるライフワークを手にして、落ち着ける環境で自分を幸せにしてくれるものだけに囲まれストレスも一切なく、毎日陽射しを浴びて「幸せだなぁ。これを手に入れるために今まで頑張ってきたんだな」といつも感じています。これ、嘘でも誇張でもなく、本当に毎日感じているのです。やっとここまできたな、と。

そうして、去年、リレーションシップを持てる心理や環境が整い、今のパートナーと出会いました。久しぶりのコミュニケーションの中で、むくっ、むくっ、と自分のエゴがたまにもぐらたたきのように顔を出そうとする。ほんとうに驚きました。

大した理由もないのに勝手に傷つくエゴ。傷つくもんだから、反射的に仕返しをしたくなったり、反射的に逃げようとしそうになる心の動き。

「うわぁ」と驚いてしまいました。色々なものを乗り越え、理想の生活を実現し、こんなに落ち着いていて、幸せで、大人なのに、それでもまだ、残ってるんだ。大人もなにも、もう50歳もすぎてるのに!

そして、過去の恋愛はこのエゴのかたまりだったなぁ、と、今初めて気付かされます。こんなものに振り回されていたなんて!

あと、まだ体のどこかに残る緊張感。これも今のヒーラーさんに指摘されて初めて気づきましたが、確かにほんのかすかに体の奥の方に残ってる緊張。パートナーとも初めの頃は、かちんこちんとなる自分の緊張を解くのに一生懸命。たぶんこれが数年前にまたアトピーが悪化した原因(悪化する直前まである会社に勤めていたので)だったのかもしれない。

完全ストレスフリーな生活をしているから余計にこの緊張感とエゴが浮き上がって見えてきます。そして向き合えば向き合うほど、この緊張感とエゴはつながっていることにも気づきます。

ヒーリングをして緊張を解きながら、エゴに関してもひとつひとつ丁寧に向き合って対処をしていきました。エゴがふわっと消化されてなくなるのに伴い、緊張も解けていったように感じます。

「これで解決」とは言いません。ここでお伝えしたいのは、この幼少期やトラウマで身についてしまった緊張というものは、10年、20年、いろいろなワークをして改善に取り組んでいても、また、全ての悩みがなくなっても、仕事でもプライベートでも幸せを手に入れた後でも、まだ体に残っていて、少しの刺激がスイッチがオンになる。それだけ強いものです。

なので、それを緩めるための働きかけは常に続けていかないといけない。心理的にも、物理的にも、さまざまなワークを通して、この先もあるがままの自分を常に見つめ、自分が「生きる」ように丁寧にメンテナンスしていかないといけないものなんだなと今つくづく感じています。

病気によって、その病気にかかる人の性格の特性があるとよく言われますが、「怒り」や「抑圧」など表現が異なるものの、そのいずれも体の中で起こっていることはこの『心の緊張』なんだな、と、コンサルで気付かされます。

ストレスには種類があって、心理的負担を与えないストレスは耐えうるし、心地よい緊張感もあります。それらはむしろ強く成長するのに不可欠なものだけれども、心が「No」と言う心理的緊張が長期に続いた時に病気となって現れるのでしょう。

そして、幼少期に緊張の癖がある人のほうが、悲しいことに、心が「No」と言っていることに気づきにくかったり、大人になって同じような緊張状態に晒された時に、より身体にネガティブに影響してしまう。

私の例を紹介しましたが、おそらく慢性疾患や原因不明の長患いをしている人は何かヒントになるものがあるのではないかなと思います。

インナーチャイルドの緊張と、実際の問題に対する緊張とを、自分の中で何度も繰り返し切り分ける作業・訓練をしていかないといけない。

これは病気のある人だけではないですね。

また、私はカナダの心理学者のジョーダン・ピーターソンさんが好きなのですが、彼は「若い頃(特に男性)は(具体化していない夢を追いかけるよりも)目の前のタスクや責任に真摯に取り組み、家庭やキャリアを築き上げることに集中し、それらが落ち着いて手を離れる50代になったら、若い頃に放置し取り残されていたインナーチャイルドを癒し、自分を取り戻し、本当の意味での自己実現をする作業に取り組むべきだ」といいます。

もちろんナチュロパシーで身体の土台を整え、副腎疲労を改善すると、その時実際に心身の緊張を解くことはできます。身体の取り扱い方や食や生活習慣を通してメンテナンスする方法を学ぶことはとても大事です。そこは私のコンサルテーションでしっかりお伝えします。

でも、心のくせをそのままにしておくとまた同じことがいつか起こってしまいます。コンサルの中で、そのようなサインを見つけたときは、その心身の繋がりについてお話をし、心とスピリットへの働きかけについて、この緊張を解く『鍵』をご自身でこの先時間をかけて見つけて行って欲しいとお願いしています。

自分がどのような心理状態で緊張をするのか、何に恐れを抱いて身を守ろうとしているのかを知ること。そしてそれに対処する方法を学ぶこと。

これも1つの方法がみなに当てはまるのではなく、何がその人に合うかは人によってそれぞれです。また、1つの方法だけで解決するのではなく、いくつかの方法を重ねてやっと多角的に働きかけられます。

ヒーリングが合うひとも入れば、ヒプノセラピーやキネシオロジー、呼吸法、マインドフルネス、インナーチャイルドに働きかけるワーク、NLPやコーチングなど、気づきを与え次のステップを示してくれるものは、個人の相性やセラピストとの相性もあるので、マインドをオープンにして縁があるものをトライしてみてもらうと良いと思います。

私の例のように、深く深く身についてしまった身体の反応を解除するのはとても大変です。そして、このような緊張を体の奥深くに持っている人がとてもたくさんいます。

自分自身に嘘をつかず、自分を大切にすること。ハッピーになっても根気良くメンテナンスし続けていくことが大事なようです。

それから、

今、仕事や人間関係のストレスで体調を崩している人、過去の呪縛に苦しんでいる人、ストレスというひと言で片付けられている不調に苦しんでいる人も、体と心を含め自分自身に真摯に向き合い続ければ、いつか必ず晴れの日がきます。

コツコツと続けていかなくてはいけませんが、必ず心の平安は訪れ、日々の些細なことに幸福感を感じられ、幸せに満ちた人生を手に入れることができます。それを求めることを諦めないでください。必ず手に入るから。

「なんでこんなに苦しまないといけないのだろう」と思うこともあると思います。でも、何度も傷ついて強くなった経験があればあるほど、幸福感の味わいが豊かになります。味わいが深くなると、感じる幸福感も増幅していきます。

そんな日がきっとくるから。みんな、幸せになろうね。