普通の日記、と、ちょっとだけPCOSのお話

夜が不規則ならば、せめて朝昼は、と、昼だけでなく朝もしっかり食べています。上の写真は今日の朝ごはん。胡麻油とすり胡麻たっぷりのチョレギサラダ、マッシュルームと卵のスクランブルエッグ、白米+玄米+もち麦のご飯。

昨日は、サラダとご飯と、千葉産のとうもろこしの実を茹でて冷凍しておいたものと基本の重ね煮をミキサーで混ぜて作ったコーンスープ、とか。色の構成が今日と一緒。

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明日の朝食ももう決まっていて、豆入りご飯と野菜とサーモンのホイル焼き。明日の勤労感謝の日も勤労できることに感謝しながら1日仕事です。

今日は久々にオーストラリアのウェビナーを受けました。オーストラリア時間で夜の7時から。オーストラリアが今夏時間ということをすっかり忘れ、日本の夕方6時に「さて、アクセスしましょうか」とアクセスしたら、あれまぁ、もう半分以上終わってた。向こうが夏の間は時差は2時間です。

今日のウェビナーは私の大好きなナチュロパス、Lara Bridenさん。もともとアメリカのナチュロパスで今はシドニーで開業しています。アメリカのナチュロパスはND(Naturopathic Doctor:ナチュロパシックドクター)の称号を持っていて本当にお医者さん。Laraは女性ホルモン関係にとても強く、シドニーでは大人気のナチュロパスです。

以前働いていたシドニーのヘルスフードショップはLaraのオフィスに近く、彼女の処方箋を持ってプラクティショナーサプリを買いに来る人が多かったので、毎回処方箋をしみじみ眺めていました。私なんかは10ページ近くの処方箋(サプリのみでなく、ゴールや理由、食事・参考レシピなども書くので)を書くのですが、彼女は1ページにおよそ10行ほど。ポイントとサプリ名だけ殴り書き。それでも、クライアントはそれを神の啓示のように大切にし、そして、ひよっこナチュロパスはその処方を穴があくまで眺め知識を蓄えていくわけです。

そんな彼女のセミナーなので面白かった!今日のお題はPCOS、多嚢胞性卵巣症候群。排卵障害で排卵がきちんとできず幾つかの症状を伴う「症候群」で、不妊の代表的な原因。通常、PCOSは、卵巣内に排卵できなかったたくさんの嚢胞を形成する症状(多嚢胞)、臨床症状(無月経、月経不順、にきび、多毛、肥満など)、また、ホルモンの異常値を総合的に考慮して診断されます。生理が正常に来ていても無排卵だとリスクが高まります。ただ、名前から多嚢胞形成がメインの症状と思われがちなのですが、多嚢胞を形成しなくても発生する場合があるので、名前を変えるべきだと議論されています(というか、ずっと議論されていますがなかなか変わりません)。PCOSは18%程度の女性がかかると言われています。オーストラリアでは、婦人科系の悩みでナチュロパシックコンサルテーションを受ける人の理由の1番は子宮内膜症(チョコレート嚢胞含む)、2番目はPCOSと感じるほど、PCOSの人が本当に多い。外観で見てすぐわかる人も多いので、診断されていない人や症状が顕著でない人も含め25%ぐらいいるんじゃないか、と感じていました。日本では「多毛、肥満」の症状が欧米ほど顕著ではないし、欧米ほど普通に生理の問題の話もしないので、更に見逃されているんじゃないかと懸念しています。

PCOSと甲状腺機能とインスリン抵抗性は深く関わっています。数値が正常範囲内でもあったとしても血液検査の数値からある程度状態が見えてくることがあるので、コンサルの際に血液検査や人間ドックの結果を持ってきていただくのですが、オーストラリアでは普通に基本の血液検査で入ってくるTSH(甲状腺のホルモンの値)やフェリチン(鉄の貯蔵量の値)が、日本では基本の血液検査だけではなく人間ドックの検査にすら入ってこないことがあるのにびっくりしました。私の人間ドックでも1万円払ってるのにTSHすら入ってない。だるさというのは特に女性にはよくある症状ですが、鉄の問題なのか、甲状腺の問題なのか、基本の血液検査からだと判断がとても難しく感じます。

TSHとフェリチンは結構重要。たまに、基本中の基本の赤血球の検査項目MCV、MCH、MCHCすら入っていないこともあります。これらは赤血球の大きさやヘモグロビンの量や濃度を図るものなのですが、鉄やビタミンの状態も把握できるのにないとわからない...。

もちろん、ピンポイントで「◎◎の疑い」という仮診断を持って検査を受ければ本格的な検査を受けられると思うのですが、普通の小さい病院で行う検査が「◎◎の疑い」をジャッジするための基本の検査を網羅していない感じがするというか。なんででしょう。日本は国民健康保険があって誰でも安く医療を受けられるという利点の代わりに、検査も超簡易化されているのでしょうか。

日本はGP制度(General Practitioner(一般医・総合診療医)がまず体のシステム全体の見解から診断して専門医につなげる制度)ではないので、小さい病院の先生が『総合的』に診断する必要がなく、自分の専門の範囲内で基本的に診断・治療を行って完結させるからなのか。

日本にいるとそんな状況でもあるので「どの科に行ったらいいかわからなくて悪化するまで放置することになってしまう」ことが多いのかもしれません。「普通にGPにかかったら、あっち行ったりこっち行ったり面倒ではあるけれども確実に問題が探れるのに」と思うことが多いです。オーストラリアにいた当時は「GPに行っても後でスペシャリストのところにまた行かなくちゃいけないなんて面倒くさい」と思っていましたが、GP制度は実はすごくいいのかもしれない。

ということで、症状からおおよその予測がつけられるように自分自身にもっともっと知識をつけないと、と思います。今月はもう1個3時間のホルモン系のウェビナーを受けます。今から楽しみです。

さて、明日は祝日ですね。楽しい週の中休みをお過ごし下さい。寒いので風邪をひかないようにエキナセアティーとビタミンCと亜鉛を摂ってくださいね。