「好きな食べ物を止めてください」とお願いする時

黙々と処方箋を書き続けています。今日のお供はミルクなしのチャイとグリーンレーズン。

しばらく前、ある方が、「何だかみんなナチュロパシーのコンサルに興味はあっても『あれもこれも止めろ』と言われるんじゃないかと思って躊躇してるみたいだよ。そんなことないのにね。」と言ってくれました。「え〜、じゃあ、そんなことはないってブログに書かなくちゃね〜」なんて話していたのですが、舌の根も乾かないうちに、どうしてもクライアントさんに「精製小麦食品と砂糖を両方止めてください」とお願いしなくてはいけなくなってしまい、その時はブログに書けなくなっちゃった。

普段は必要がなければ「あれもこれも止めろ」とは言いません。ただ、精製小麦と精製砂糖と乳製品は総合的に見てあまり良くないことが多いのです。これら食品は、食べる人は毎日食べていて、毎日食べているからこそ不具合が起こっちゃう。ただ、好きだから毎日食べているわけで、砂糖なんかは中毒にもなるので、好きなものを止めなくてはいけない辛さもすごくわかります。

なので、それら食品が原因していると思われる症状がなければ、止めて欲しいとは言いません。体に良くないものでも、問題がなければ理想は押しつけないようにはしています。でも、それらの食品が確実に原因と思われる場合はやめてもらわないと治らないので、理由をしっかりお話しします。

まずは、理解をしてもらった上でその人ができることをお願いします。

そして、どうしても止めてもらわなくちゃいけないものがあったとしても、一度に1カテゴリーには抑えるようにしています。精製小麦食品と砂糖と両方をいっぺんに、は気持ち的負担が大きいので、普段は相談して1つにします。もしくは1つを1ヶ月だけ止めてみて、次の1ヶ月に別の1つを、とお願いすることもあります。そうすると、少なくとも、食べていない時の違いをご本人が体で実感できるから。

それから、「永遠に止めろ」とも言わないようにしています。でも、それが本当に原因物質だった場合、1ヶ月、たった4週間控えただけで結構顕著に体調に現れます。1ヶ月もしくは3ヶ月程度頑張ってみてもらいます。3ヶ月も頑張ってみると体が「正常な状態」を思い出した上でそれを記憶するので、後で自分でもコントロールしやすくなるからです。女性の場合は生理があるので、「生理のときだけ好きなものを食べていい」ルールを作ったりしてストレスを発散してもらいます。

「生理のときだけ好きなものを食べていい」ルールでグルテン制限をしていたりする場合でも、3回目の生理の頃には、好きなパスタを食べるとお腹がすごく重たくなって気持ち悪い感じを感じるようになります。

いずれにせよ、好きな食品を止めてもらわなくちゃいけない時は、少なくとも頭ごなしに「これ止めないと治らないよ」とは言いません。本当に申し訳なさそうにお願いします(笑

辛いのは私もよく知っているから。私も20代の頃は普通にシングルのエスプレッソにお砂糖2杯、お料理に砂糖、チーズも大好き、お菓子も加工食品もたくさん食べていました。20代の頃は「いいことも悪いこともすべて経験する」がモットーだったので、実際に躊躇なくいろいろな経験をしてきた方だと思います。30代は交感神経をバリバリに働かせる仕事と更に交感神経を研ぎ澄ます趣味をして走り続けながら、ストレスを美食・美酒で解消し続けたせいで体を壊した典型です。今はもう止めていますが、タバコも吸っていました。

最後の数年は楽しいことの方が多かった仕事も、ストレスが悪い形で体に出ることはなくなったけれども、でも実際はそれ以前よりさらに忙しくなっていて、メール・携帯・チャット・固定電話を酷使してアメリカ・シンガポール・国内他部署・取引先と同時に連絡を取る、というスピード感。でもそれはあくまで普通のルーチンワークで、それとは別に部署のタスクとして上から降りてくる指示というものは「常識的に不可能なこと」、だけ。「常識的に可能なこと」はできて当たり前なので指示としては降りてこない。食もクリーンにしお酒も飲めなくなった後、過酷なお題目にチャレンジし続けるための最後のストレス解消方法のタバコは仕事を辞めるまで不可欠でしたし、自分にも許していました。

自分自身、タバコを吸いながらでもアトピーを治せたので、今でもテキストブック的に「ダメ」と言われているものをクライアントさんに押し付けることは基本的には考えていません。砂糖を抜くのにも三温糖や米飴に変えて抗ったりしながら、意を決して全部止めて頭と体が慣れるのに1年はかかったし、食の改善自体にも紆余曲折ありすごく時間がかかりました。

体を壊す前に今の私に会いたかった。あの時、ナチュロパスに会って食の指導をしてもらい、「お酒を控えたほうがいい。なぜならば...」と言ってもらえてたら全く違っただろうとつくづく思います。

弱さも、辛さも、ストレスの大変さも十分にわかります。最近は若い頃は感じたことのなかった「孤独感」というものも知るようになりました。

昔から私を知っている人は私という人間を私以上に知ってくれているのでいいのですが、最近、特にこのブログを読まれている方はナチュロパスになってからの私しか知らない方の方が多くなってきていると思うので、まじめ一辺倒の堅物に思われてるかもしれないな、と。「そんなことないですよ、普通の人間ですよ」とお伝えしないとな、と。なんだか、「人間だもの」的告白の多い週です。

なので、怖がらずにご連絡くださいませ。ドアはいつでも開けてお待ちしております♪